特集 中古車販売⑥ 事例:藤沢自動車

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八木 正純
特集 中古車販売⑥ 事例:藤沢自動車

整備技術で中古車の安心感をアピール 基盤代替で安定した車両確保を実現

 神奈川県足柄上郡大井町、県道78 号の交通量の多い道路に面する同社。展示車両置き場には新車や認定中古車に加え、自社で下取りして製品化した中古車が並ぶ。「新車が売れなければ、中古車が生まれない」と車両リースや、各種の基盤代替(下取り)につながるサービスを展開する同社。整備工場が中古車販売に業容拡大する、そのメリットを聞いた。

代表取締役社長 藤澤 亮介氏

基盤代替のサイクルを確立

 創業51 年を迎える同社は、先代の車両解体業からはじまり、バブル期に整備工場をスタート。バブル終息後にはさらにスズキの副代理店として車販を開始して、整備+車両販売の現在のスタイルを確立した。現在ではスズキをメインに国産車、輸入車を幅広く取り扱う。

 中古車両の仕入れについては、各メーカーのディーラーからの認定を受けており、トヨタ自動車、日産自動車、マツダのそれぞれの認定中古車を取り扱うほか、自社で販売・リースした新車を下取り、中古車として製品化、再販売・再リースするという基盤代替のサイクルを構築。「新車販売からスタートした基盤代替も現在で3サイクル目に入っている」(藤澤亮介社長)と、安定感のあるサイクルを生み出している。

同社外観。県道に面しているため交通量が多く、展示車両をアピールしやすい

展示車両にメリハリを生む“90日ルール”

 確かな整備技術に加え、各社サービスに加盟し顧客満足の拡充を図ることでカーオーナーからの信頼を得てきたという藤澤社長。カーメーカーの展開するメンテナンスパックはもちろん、新車の乗り出しには西自動車商会の『スーパー乗るだけセット』、整備サービスの提供にはロータスクラブの『メンテナンスパック』、顧客管理には愛車広場カーリンク(チームエル)『キズナエール』など、各社のサービスを併用。

 「整備工場が中古車販売をする強みは、中古車両に安心感を持ってもらえること。自社の技術を各種サービスに乗せて発信して、顧客にアピールするのが重要だ」。

 こうして直需顧客7 割以上を達成する同社は展示車両にも手を抜かない。同社は県道に面しており、交通量が多く展示場も注目を集めやすい。そこで常に新鮮さを感じてもらえるように展示の中古車両は協力店舗との在庫共有や業販、オークションや海外輸出などを利用して、90 日を目途に入れ替えている。

 「中古車は利益率も高いが、入荷した時点から原価償却が始まってしまう。売れると思った車が意外と動かないこともある。そういう時は90日を在庫目安にして市場に早めに流して次に備える。そのほうが在庫を抱えるよりリスクが少ない」。

展示場には自社で製品化した中古車両が並ぶ。シーズンごとに車種も細かく選定している

地域の移動の足を支える存在として

 自動車業界は10 年後どうなっているか分からない。だからこそ、今のうちに“会社の柱” を複数持つ必要があると藤澤社長は言う。「ディーラーの内製化が進む中、整備業のみで生き残るのは難しい時代。車両の販売から修理まで1社で完結できるのは整備工場ならではの強みだ」。

 同社はさらに福祉車両やセニアカーの販売整備に加え、産業祭りなどイベントに協賛・参加するなど地域貢献も欠かさない。「やはり地域が一番の顧客。活動を通して自社を知ってもらう、そしてこの地域の移動を支え、生涯顧客を増やしていく」。