高合格率カリキュラムで整備士育成 20年の外国人採用・教育の知見を活かす
チェングロウスは2024年に特定技能人材の長期活躍を見込んだ採用・育成する「ASCAプログラム」を開始した。同社はオートバックス加盟法人と協同設立したASIC(海外技能実習生の監理支援団体)として加盟法人への技能実習生の受け入れを進め、業界では20年の実績がある。その教育・採用のノウハウを活かし、業界の整備士不足を解消するためにスタートした同プログラムについて展望を聞いた。
20 年の実績を活かしたプログラム
同社は1970年設立、2017年にはオートバックスセブンに連結子会社化した。連結以前からオートバックス加盟法人との共同出資で海外から技能実習生を受け入れるプログラム、オートサービス・インターナショナル(ASIC)を2006年から開始。フィリピン現地大学と提携し、以来これまで加盟法人へのマッチング採用を促進。さらに技能実習生の特定技能への移行も推進し、80%超の移行を実現してきた。
この20年間蓄積された外国人材採用と教育ノウハウを活かし2024年、整備士育成に特化した「ASCAプログラム」を開始。フィリピンとインドネシアから優秀な人材を採用、日本語能力と整備技術を備えた人材を育成する。
現地では人材募集とコンセプトセミナーを実施。各種試験と面接で日本国内で自動車整備士を目指す人材が選抜されプログラムへ参加。参加後の採用決定までの約10ヵ月間、日本語はJLPTN4、及び特定技能1号評価試験合格まで現地で教育。さらに採用決定から入国までの約5ヵ月間も実践的な日常会話や整備技術の教育が継続される。
また採用の際は企業とのマッチング精度を高めるため、募集企業とPR映像を製作しアピールの場を設ける。そして人材側・企業側互いを指名し合い、複数企業から指名があった場合は、人材側が志望企業に挙げた会社へ優先して入社が決まる。
同プログラムはオートバックス加盟法人以外への展開も進められ2026年初旬に第1期生の18人が入国予定で、すでに採用先が決定。第2期生も準備を開始し、今後年2~3回のサイクルで受け入れを拡大する。入国後の銀行口座の開設や生活必需品の準備など、その他生活に関わるサポートは同社が付き添い支援する。
では工場側は何を準備すれば良いだろうか。「福利厚生などに慣習の差があるため詳細な説明の準備をしておく。またOJT 担当者を主担・副担と2人は用意し、気軽に質問できる環境を作っておくと良い」(湊川満也社長)。
国内実績の高いカリキュラムで育成
ASCAプログラムの特徴は、整備士資格取得のための高水準な教育だ。日本人でも就労しながらでは取得に半年以上かかる資格だが、同社には1ヵ月間の短期集中型教育で100%近い合格率を実現するカリキュラムがあり、今年度から海外人材向けにも展開を開始。
この教育の知見は同プログラムでも活かされ、現地での特定技能試験の合格率100%を実現している。さらに、こうした資格取得は人材側には無償で提供され、入国前から計画的なキャリア形成が可能で魅力的だ。日常会話やセールストークについても独自の評価制度が用意され、受講者のモチベーションを高く保った教育を進めやすい。
適度に環境を整え、人材を受け入れる
入国後の銀行口座の開設や生活必需品の準備など、その他生活に関わるサポートは同社が付き添い支援する。では工場側は何を準備すれば良いだろうか。「福利厚生などに慣習の差があるため詳細な説明の準備をしておく。またOJT担当者を主担・副担と2人は用意し、気軽に質問できる環境を作っておくと良い」(湊川満也社長)。
工場が外国人人材を受け入れるには宗教などの文化の違いも不安があるかもしれない。
特にインドネシアはイスラム圏であるが彼らの生活様式に会社が100%合わせる必要はないという。豚肉やアルコールなども会社全体で絶つ必要はなく提供しないように気を付ける。礼拝があるなら場所を用意する。文化的慣習は求められたら対応し、過敏にならなくても良い。
「彼らは日本で自動車整備士を目指すという強い志がある。異文化に飛び込んでくる人材に対する適度な配慮があれば、彼らの素直で真面目に頑張る姿勢に日本の先輩達も感化されることだろう。今後も人材を拡充していく。採用についてぜひ気軽に相談してほしい」。