特集 外国人材採用の選択肢③ インタビュー・アプティグローバル

  • #人材
  • #外国人
  • #採用
ライター写真
武井 宏樹
特集 外国人材採用の選択肢③ インタビュー・アプティグローバル

 「もう人材採用で悩まないでほしい」というアプティグローバルの井田秀明社長。同社はインドネシアにトレーニングセンターを設立し、人材採用から教育まで力を入れる。紹介して終わりではなく入社してからが本当のスタートととらえ、彼らが日本で活躍し、永住権を取得するまで企業と二人三脚で育てていくという。同社の人材採用までのスキームと長期雇用のためのフォロー体制、そして整備業界への思いについて話を聞いた。

 インドネシア人材を専門に外国人採用を支援する同社は現地に教育機関として自動車整備のトレーニングセンターを開設。現地では日本企業の求人1 社に対して少なくとも100人、多い場合3,000人以上も応募がある中、同社は面接までに7回のスクリーニングを実施。人間性や資質を見極め、採用企業との最終面接に合格した人材のみセンターに入学できる。

 同所では20 年以上日本の自動車大学校で指導してきた一級自動車整備士資格を持つ日本人講師が教壇に立ち、授業はすべて日本語。来日後に言語の壁でつまずかないように教育する。全寮制のため自炊や日常会話などを通じた生活スキルも身に付けやすい環境となっている。

 同社のこうした活動がインドネシアへの社会的貢献として認められ、現地政府から職業紹介事業者では外資系企業初となる許可資格(P3MI)を取得している。

 日本国内での就労まで4 ヵ月から長くとも約半年で実現、また入念な適性検査により1 人から採用が可能だ。これまで500人以上の採用実績があり、今後ますます増える見込みだ。だが同社の人材採用・長期定着の肝は採用まででなく、その後のサポート体制にあるという。

 来日直後には空港へ出迎え、その足で市役所での手続きや銀行口座開設、携帯電話契約などの諸手続きや生活の補助はもちろん、初出社まで最大5日間、同社のスタッフが職場に行き、朝礼から終業まで帯同する。

 これは本人達の働きぶりや適応の様子を見るだけなく、受け入れ先の上司や同僚達がどんなコミュニケーションを取るかまで把握することで、良好な関係性を築くためのサポートの一環だという。「他意はなくともわずかな言葉のニュアンスの違いによる影響は侮れない。我々が緩衝材となり良い関係性を築きやすいようフォローする」。

 本格的に生活がスタートしてからもサポートは続く。「我々は彼らを自分の子どものように思っている。困りごとがあれば、どんな些細なことでも電話1本で駆けつける」。こうした我が子を見守るような徹底的なケアにより日本での生活と仕事に集中しやすい環境を整え、離職・転職率0%という実績へつなげている。

 そして2025年10月からは毎月食材を届ける「新鮮野菜ボックス」という取り組みを開始。これは同社独自のサポートの1つで、人材側の負担はない。配達伝票の送り主欄は採用企業名とすることで、人材の心身を支え、企業との結びつきをより強固にしている。

 「我々は人材を一労働者として考えている企業からの依頼は断る場合がある」と井田社長は話す。キャリアプランは明確に、入社後半年で3級自動車整備士取得、その後2 級以上の取得を目標とする。「在留資格の延長要件である特定技能2号の取得はあくまで手段。目指すのは国家資格を持ったプロフェッショナルの育成だ。受け入れ企業側も国家資格を持った整備士がいるという企業価値の向上につながる」。

 来春には現地に自動車整備・鈑金と二輪自動車整備の専門高等学校を新たに開校予定。この事業の展望はそれぞれの幸福を追求すること。「日本で働く人材達、彼らを支える現地の家族、受け入れ企業の三方良しの環境を作ることが我々の使命だ。今後も基幹産業である自動車業界で最も人手を必要とする整備工場の悩みを解決したい。採用からその後のフォローまで手厚い体制を整えている。ぜひ問い合わせてほしい」。