37人の多国籍人材を擁するノウハウでカンボジアの整備士育成事業を展開 整備士不足解決と両国の人材需要に取り組む
新東京国際空港(成田空港)のすぐそばという立地に構える光自動車(大矢桂介社長)は就業する整備士の半数以上が外国籍人材で構成され、内訳は6ヵ国、37人の整備士を擁する、国際色豊かな整備事業者である。その同社がカンボジアの整備士を目指す若者の育成事業を2024年度からスタートさせた。第1期生が2025年10人に来日、カンボジアと日本を結ぶ新たな架け橋が誕生した。
6ヵ国にわたる多国籍人材が活躍 整備士の半数以上が外国籍
1971年創業した光自動車。創業当時は小型車の車検が中心だったが、二代目の大矢桂介社長の就任で商用車の入庫拡大にシフト。現在の年間入庫台数は約2,000台。この他、成田空港で使用される特殊車両が400台入庫。ジムニーのカスタマイズやLPGバイフューエル車事業も手掛ける。
同社が本格的に外国籍人材を雇用したのは2017年からのこと。加盟する全国ネットワークの技能実習生受け入れ機関を通じて採用した。それ以来、毎年受け入れを行い、今では6ヵ国(べトナム、フィリピン、カンボジア、スリランカ、ミャンマー、ネパール)、37人の外国籍の整備士が在籍する。同社の整備士全体の実に半数以上だ。
「どこの国の実習生も帰属意識が強くて真面目。その意識は日本人より強いかもしれない」と同社の大矢桂介社長。雇用開始以来、1人も辞めることなく、技能実習生から特定技能に移行した人材は10人に上る。
「日本語の習熟度で仕事の生産効率は変わる」と日本語の習得が外国籍人材のカギを握ると大矢社長。このため、同社の寮では異なる国の人同士を組にして住まわせている。同じ国同士だと母国語を使い、日本語の習得が遅れるからだ。なお、大矢社長はこれまで3人の外国籍人材の結婚式に呼ばれ、彼らの
母国に赴いたという。
「ご両親からも歓待を受けて、こっちもうれしかった」と大矢社長。外国籍人材からも慕われていることが分かるエピソードである。
カンボジアの整備士学校と提携教育を施し、第1期生が来日
その同社が、整備業界最大の課題となっている整備士不足の解消と日本とカンボジアの人材ニーズのマッチングを目的に、2024年度より技能実習生育成事業を立ち上げた。カンボジア国労働訓練省の自動車整備士訓練学校(JVC Technical Institute=以下、JVCと表記)と業務提携。
JVCの学生に対し、基礎教育のかたわら、同社が日本語と日本型自動車整備技術を教育し、技能実習生として日本の整備事業者に斡旋するという仕組みである。斡旋する人材は、日本語能力試験(JLPT)でN5 以上に合格した学生で、意欲に溢れた人材が来日する。
「JVCは2年制だが、授業は実質1年間で2年目はインターンになる。その期間に、当社の日本語教師による語学の授業と、JVCの敷地内にある当社の整備工場で、日本式の自動車整備技術を学んでもらう。たとえば、挨拶や服装、工具の名称や使用マナー、ブレーキの分解なども教えて、日本で受け入れる際の手間が少しでも省けるように教育する」(大矢社長)。
こうして、同社のカンボジアプロジェクトは、その第1 期生28 人のうちの10人が、2025年10月に来日、整備事業者に雇用された。残った18人も今後、整備事業者に内定を受け次第、来日する流れになっている。同社が育成するカンボジアの技能実習生は岐阜県の管理団体を通じて斡旋している。
光自動車が行う日本行きのプログラムが順調にスタートしたことによる効果で、2025年度のJVCの入学者は例年より50人ほど増加したという。日本行きを希望するカンボジアの若者が今後増加していくことが考えられる。
外国籍人材雇用の実績とノウハウのある光自動車が育成する外国籍の人材に注目したい。
