柴田幹氏
スタンレー電気 自動車サテライト本部 宇都宮サテライト部 営業三課 二係 チームマネージャー
1990年スタンレー電気入社。90年代半ばには当時世界初のハイパーハロゲンシリーズの開発並びに用品関係の開発に携わる。98年に市販営業部へ異動となり現在に至る。主に代理店本部及び東日本地域を担当。
2026年8月、自動車車検におけるヘッドランプの検査方法が、完全にロービームでの測定に移行する。スタンレー電気の柴田幹チームマネージャーに、これから自動車整備事業者が特に力を入れて準備すべきことについて聞いた。
ロービーム検査への完全移行を前に、自動車整備事業者が特に準備すべきことは何か?
ユーザーに対して複数の対策を提案できる引き出しを持つことだ。1つは、ヘッドランプレンズを「磨く」こと。ただし、磨くだけではすぐにまた劣化してしまうため、その後のコーティングが重要になる。
そして、光源を変えること。より明るいLEDバルブやハロゲンバルブへの交換。あるいは、HIDやハロゲンのノーマル品であっても「新品に交換」することでも効果が得られる。それぞれの対策には、コストや手間、効果といった面でメリット・デメリットがある。車の状態や予算に合わせて最適な提案ができるよう、様々な選択肢を揃えておくことが、これからの整備事業者には求められるだろう。
新検査基準に対応するため、どのような新製品の導入を進めているか?
実は、ロービーム車検への移行は今回が初めてではない。2015年ごろにも、一斉に切り替わった時期があった。しかし、当時は検査機器の問題や不合格車の続出で市場が混乱し、国が「ロービームで不合格でも、ハイビームで再検査が受けられる」との経過措置を急遽設けた経緯がある。その経過措置が、いよいよ2026年8月に終了する。
今回、私たちがロービーム車検対策品として前面に打ち出している高効率ハロゲンバルブ「ハイパークリア」も、こうした背景から生まれた製品だ。実はこのタイプの製品は、以前から形を変えて販売していた。
しかし、一時期は需要が減少し、販売を終了していた。それを、今回の完全移行というタイミングに合わせ、ノーマル比150%の明るさを達成。ロービーム車検対策に特化した商品として性能を向上させ、復活させたという経緯がある。
ロービーム車検完全移行は、自動車の安全確保という点でどのような意義があるか?
車検の合格基準である6,400カンデラという数値は、正直なところ、相当暗い。私たちは、車検を通す・通さないという視点だけでなく、ドライバーの安全を守るという観点から、ぜひ余裕を持った明るさを確保していただきたいと考えている。
ヘッドランプが曇っている、あるいは夜道が暗く感じるようになったら、それは交換のサインかもしれない。車検で不合格になってから慌てるのではなく、事前に準備をしておくことが大切だ。 今回のロービーム車検完全移行は、すべてのドライバーにとって、自身の車の「見る力」と向き合う良い機会となるはずだ。