4月に開校したマツダ自動車整備専門学校 神戸(MASTeC KOBE)は4月9日、入学式を行い、その後、関係者に学校施設が公開されるとともに、メディアカンファレンスが開かれた。
メディアカンファレンスには橋本覚理事長と山本修弘校長が登壇し、学校設立の目的や経緯、概要について説明。自動車整備士の不足が深刻化する中、同校は整備士の社会的地位向上と、社会で活躍する人材の育成を掲げる。
自動車整備士の社会的地位向上を目指して
カンファレンスの冒頭、橋本覚理事長は学校設立の背景について、自動車整備士の有効求人倍率が5倍に達するなど、深刻な人手不足にある現状を指摘。「自動車整備士は、日本の交通インフラを守るエッセンシャルワーカーである」という思いから自らマツダに専門学校設立を働きかけるなど、設立に至るまでの経緯を明かした。
1期生21人でのスタートとなった同校だが、特徴として技術だけでなく、人間力も高める教育に力を注ぐ。橋本理事長は、「最終的には自動車整備士の社会的地位を向上させたい」と述べ、ドイツのマイスター制度のように、整備士が社会的に尊敬を集める職業となることへの強い思いを語った。
また、ディーラーである神戸マツダが設立した学校であるため、学生がすぐそばで実際の現場や顧客対応を見学できる点も大きな強みに挙げた。
車を愛し、社会のヒーローとなる人材を育成
続いて、山本修弘校長が教育方針と今後の夢について。山本校長は1973年に東洋工業(現マツダ)に入社し、長年ロータリーエンジンの開発やレース活動に従事したほか、ロードスターの開発責任者を務めた経歴を持つ。山本校長は「MASTeCの卒業生が社会のヒーローになってもらいたい」と語り、カーオーナーに安心と信頼のサービスを提供し、幸せを届ける存在になってほしいと期待を込めた。
そのための学びの三本柱として、第一に車の歴史や文化的価値を学んで車を好きになること、第二に原田メソッドを通じて心を強くし自立して行動できる技術型人間を育成すること、第三に神戸マツダの支援を活かして実際の働く姿を日頃から目にし、将来を描ける環境を提供することを挙げた。学校の設備についても言及し、1階の実習場にはマツダから提供された北米向けの車両14台や、世界中を探しても他にないフルローターのレーシングエンジンなど、マツダの歴史と心を知るための貴重な教材がそろっていると説明した。

MASTeCブランドの確立に向けて
マツダ自動車整備専門学校 神戸は、単なる技術の習得にとどまらず、車の歴史や文化への深い理解と、強い心を持つ自立した人材の育成を目指している。山本校長は、「MASTeCをブランドにしたい。日本中のディーラーや業界からMASTeCの卒業生がほしい、そう言ってもらえるようになりたい」と力強く語った。
自動車整備士の社会的地位向上という大きな目標に向け、新たな一歩を踏み出した同校の今後の取り組みが期待される。


1階の実習場。実習車両はマツダから提供を受けた
