横浜ゴムは2026年8月より、社内の技術文書を検索し回答を提示するRAG(検索拡張生成)を活用した「生成AIシステム」を独自開発し、本格運用を開始した。
同システムは社内に蓄積された技術文書から必要な情報と根拠を迅速に提示し、材料開発を含むタイヤ開発プロセスにおける意思決定のスピードアップと高度化を実現する。
独自開発した生成AIシステムの機能
同システムは、技術者が開発の目的や状況に応じた質問を入力すると、社内の技術文書から関連性の高い情報を検索し、その内容に基づく回答を生成AIが提示する仕組みとなっている。
主な機能および特徴は以下の通り。
- AIエージェントが質問の意図をくみ取り、検索計画の立案、情報検索、結果評価を自律的に繰り返して回答精度を向上
- 回答と併せて根拠となる元文書へのリンクを表示し、技術者自身が回答の根拠や妥当性を確認可能
- 規則、要領、技術報告書、事例情報などの技術文書(ドメイン知識)を検索対象として活用する仕組みにより、HAICoLabに基づくタイヤ開発環境を拡張
フレームワーク拡張と今後の展開
本システムは、2020年10月に策定したAI利活用フレームワーク「HAICoLab」(ハイコラボ)の実践環境を拡張するために開発された。
これまで同社は、ゴムの配合物性値やタイヤ特性値の予測、ゴム配合の生成、金型設計支援などのAIシステムを展開してきたが、今回の開発により技術文書に蓄積された専門知識やノウハウ(ドメイン知識)をAIで活用する仕組みが新たに加わった。
併せて同社は「HAICoLab」を実践できるDX人材の育成を推進しており、今後はシステムのさらなる高度化を通じて製品、プロセス、サービスの革新を目指す。