シンカは9月28日、AIコミュニケーション統合プラットフォーム「カイクラ」と連携するAI電話サービス「カイクラ電話番」の開発に着手し、大手自動車販売会社の協力の下でPoC(実証実験)を開始した。
最大の特徴は、カイクラに登録された顧客情報をリアルタイムで参照し、着信時に相手の名前を呼んで応答できる点にある。本記事では、サービスの概要、主な機能、今後の展開を順に整理する。
スタッフ不在時にAIが顧客名を呼んで自動応答
「カイクラ電話番」は、スタッフが電話に出られない際にAIが代わりに応答するサービスだ。
カイクラ内の顧客データベースを参照することで、着信時に「○○様、お電話ありがとうございます」と顧客の名前を冒頭で呼ぶことができる。その後、AIが用件を聞き取り、設定されたシナリオに沿って対応を進める。
プッシュボタン操作は不要で、口頭での自然な対話によって受付が完結する。車検受付・予約変更・在庫確認といったシナリオへの対応を想定している。
3つの主な機能
「カイクラ電話番」の主な機能は以下の通り。
- カイクラ連携による顧客情報参照と名前呼びかけ応答:着信時にカイクラ内の顧客データベースを参照し、相手を把握した上で用件を伺う。
- ボタン操作不要の自然な音声対話:顧客が口頭で伝えた用件をAIが聞き取り、設定シナリオに沿って自動で受付を行う。自動車販売・整備店の来店予約のほか、不動産業の内見確認や企業の代表電話一次受付など、幅広い業種での活用を想定している。
- 電話・SMS・対面・AI電話の履歴を一元管理:AI電話による対応データ(録音・自動テキスト化・要約)は、カイクラ上の同一タイムラインへリアルタイムに自動反映される。担当者不在時でもスムーズな引き継ぎや折り返し対応が可能になる。
なお、本リリースに記載の機能にはPoC段階で提供するもの及び開発中のものが含まれる。
PoCでは3つの観点を検証
今回のPoCは大手自動車販売会社の一部店舗で実施される。
検証する観点は、店舗の実際の運用に合ったAI応答ができているか、スタッフの電話対応の負担がどの程度減るか、AI電話の対応履歴をほかのやり取りと併せてカイクラで管理できるか、の3点だ。
今後は会話履歴の参照機能と業種拡大を計画
シンカはPoCの結果を基に機能改善を行い、正式リリースへ向けた準備を進める方針だ。
今後は、カイクラに蓄積された過去の会話履歴も参照できるよう開発を継続する。過去の通話で話題に上がった来店予約や点検・修理の内容を踏まえてAIが応答できる機能の実現を目指す。
展開先の業種についても、自動車販売店に加え、不動産会社や医療機関など店舗での電話対応が多い業種への拡大を予定している。
「カイクラ」は2014年8月のサービス開始以来、継続率99.6%を達成し、3,300社・6,600拠点以上に導入されている(同社調べ、2026年6月末時点)。