「タイヤ館」の小売店舗を再現したセールスルームで顧客ニーズ把握・提案能力を強化
ブリヂストンは2026年4月6日、新研修施設「B-Solution Learning Center」(ビー・ソリューションラーニングセンター。B-SLC)を、工場・研究開発拠点などを併設する東京都小平市の同社敷地内に設立。建築関連企業(日東工営、日鉄エンジニアリング、オカムラ、イトーキ)、整備機器メーカー(エイワ、小野谷機工、東洋精器工業、空研)、機械工具商社(バンザイ)、報道陣を招いた開所式・内覧会を同日に行った。
B-SLCはブリヂストンとその関連会社、ブリヂストン製乗用車用タイヤ専門販売チェーン「タイヤ館」、商用車用タイヤなども取り使う「ミスタータイヤマン」などの従業員を中心に、タイヤの整備技術・顧客提案能力の強化を図るべく、2023年まで稼働していた千葉県市川市内の研修施設を移転リニューアルしたもの。
ブリヂストンが展開する乗用車用タイヤ専門ショップ「タイヤ館」の小売店舗を再現したセールスルームには、ブリヂストン製のタイヤ・ホイールに加え、作業の進捗や待ち時間を可視化するカーオーナー向けスマートフォンアプリ「ピットトラッカー」、データに基づく時短商談、生成AIによるロールプレイング商談などの各デジタル技術が導入されている。

消費財ピットでは安全・少負荷・高効率なタイヤ交換を習得可能
消費財(乗用車)ピットにはBEV(バッテリー式電気自動車)に対応可能な埋設型リフト2基を導入。うち片方のストールではホイールアライメント測定を可能としつつ、バンザイのサイドスリップテスターも併設した。


もう片方のストールでは床下に潜り込み、空気圧によって異なるタイヤの接地面の状態をガラス越しに確認可能としている。


また、タイヤ交換作業研修用として、小野谷機工の半自動タイヤチェンジャー「エクシードイオタ」と全自動ホイールバランサー「ダイナマックスKs-MAX」に加え、両者をセットリフトとセーフティケージでつなぐ「イージーシステム」を導入。
タイヤ&ホイールをリフトで持ち上げて、タイヤチェンジャーへセットし交換、セーフティケージでエアを充填し、ホイールバランサーでバランス取りを行ったのち、リフトで下ろすまでの、一連の工程中にタイヤ&ホイールを一切床に下ろさず、かつ多くの作業を自動化している。
これにより、サマータイヤとスタッドレスタイヤとの履き替え依頼が集中する繁忙期でも、安全かつ少ない労力で効率良く作業する方法を習得可能とした。

生産財ピットには「バリアスツールハンガー」を導入し工具使用時の身体的負荷を約1/3に
生産財(商用車・重機・建機など)ピットには、2つのストール双方に1柱リフトが設置されたのに加え、小野谷機工の大型車用インパクトレンチ天井吊り下げ装置「バリアスツールハンガー」が導入されたのが最大のトピック。

内覧会では作業実演も行われ、重量10kgにおよぶ空研の通信機能付きパワートルクセッター「PTS-800ES」などを用いたホイールナット締結をすべて手作業で行った場合に対し、身体的負荷が約1/3に軽減され、作業時間も短縮されることが示された。
また、ブリヂストンの作業標準では、
- ホイールナットの車両側ボルトへの取り付けを手で行う
- インパクトレンチで半分程度まで締める
- トルクレンチで規定トルク通りに締結する
ことが定められていることも紹介されている。

大型車用のタイヤ交換機器も乗用車用と同様に、安全性・効率アップと労力低減を可能とする上級モデルを積極的に導入。加えて、エイワのパンク修理用エアリフター付きタイヤスプレッダー「ETTS-01」、窒素ガス発生装置「N2ECO」、小野谷機工の重機・建機用タイヤチェンジャー「BMT-1250X」、フォークリフト用ノーパンクタイヤチェンジャー「PMX-100」も完備されており、ブリヂストンが取り扱うタイヤの裾野の広さをうかがわせた。


ロードサービスカーを用いた高速道路上での安全なタイヤ交換も学べる
屋外駐車場には、ロードサービス「ブリヂストンサービスネットワーク(BSN)」向けに、高速道路の路肩と走行車線を再現した「出張サービス研修路」を設置。2026年内にも「通過型タイヤ残溝計測システム」を追加する予定となっている。


B-SLCでは今後、年間1,000人規模での研修を実施。ニーズがあればカー用品店やディーラー、整備工場などの代理店従業員を対象とした研修も行う計画。
文=遠藤正賢 写真=遠藤正賢、ブリヂストン