損害保険ジャパン(石川耕治社長)は6月16日、内製開発したデジタル保険募集パッケージシステム「Miracraw(ミラクロー)」の本格展開を開始した。
最大の特徴は、個別システム開発と比較して開発コスト・開発期間を最大80%削減できる点にある。本記事では、同システムの概要、開発背景、主な機能の3点を順に整理する。
エンベデッド・インシュアランス普及の課題解消を目的に開発
近年、商品購入やサービス申込に保険を組み込む「エンベデッド・インシュアランス(組込型保険)」が、顧客体験向上と収益多角化の手段として注目を集めている。
一方、従来のシステム開発は、パートナー企業や保険商品ごとに個別対応が必要であり、コストと開発期間の増大、保守運用の煩雑さが課題となっていた。
同社は内製開発によるシステムの標準化を通じて、これらの課題を解消。「Miracraw」を共通基盤(ハブ)として提供することで、パートナー企業が安価かつ迅速にエンベデッド・インシュアランスを導入・展開できる環境を整えた。
なお、「Miracraw」という名称は、「Miracle(奇跡)」と「Raw stone(原石)」を組み合わせた造語であり、顧客に合わせて最適な形に磨き上げる保険の可能性を示すものとされている。
3つの特徴——内製開発・API標準化・M連携
「Miracraw」の主な特徴は以下の3点である。
(1)システムの内製開発
業務に精通した開発チームが、損害保険特有の複雑な契約フローをわかりやすくしたUX(ユーザーエクスペリエンス)を提供する。
基幹システムとのシームレスな連携と効率的な展開・保守を実現し、保険商品・特約の追加も迅速に行える。開発コスト・開発期間の削減と安定したシステム運用を両立する。
(2)API接続仕様の標準化
API(Application Programming Interface)接続仕様を標準化することで、パートナー企業自身によるシステム接続が可能となる。
インシュアテック企業を含む社外システムとのAPI接続仕様も標準化しており、システム連携にかかるコスト・期間を大幅に削減。既存のサービスやシステムとの連携もスムーズな、柔軟なフロント・ミドルシステムの提供を実現する。
(3)パートナー企業との連携を加速する「M連携」
パートナー企業のWebサイトへ専用タグを埋め込むだけで連携が完了する「M連携」を提供する。
顧客の同意を確認の上、パートナー企業の予約・購入画面で入力したサービス利用日や予約・購入内容を、保険申込画面へ自動で反映できる。これにより、パートナー企業のサービスから流れを止めることなく、スムーズな保険加入体験を提供できる。
中長期的にはオープンなゲートウェイの構築を目指す
同社は今後、「Miracraw」を活用して業種を問わずデジタル販路を展開するさまざまなパートナー企業との連携を強化していく方針だ。
中長期的には、デジタル募集の基盤として、異なるネットワーク間でデータのやり取りを仲介するオープンなゲートウェイの構築を目指す。
団体募集の加入画面への活用なども見据え、パートナー企業にとってより接続しやすく、拡張性の高いシステムの提供を進めていく。
