トヨタ自動車は、自社の新事業創出の仕組み「BE creation」から誕生した初の事業会社であるOneStreamが、3社からの出資を受け入れて本格始動すると発表した。
「OneStream」は、荷主、倉庫会社、輸送会社、港湾関係者が共通の情報を閲覧・共有できる仕組みを提供し、港湾およびコンテナ物流における業務プロセスの可視化と効率化を推進する。
3社参画による共同出資体制
「BE creation」は、「世のため人のため」「技術を活かして新しいことに挑戦したい」という社員の想いを起点とし、顧客の声や現場課題に向き合いながら仮説検証を重ねて事業化を目指すトヨタの新事業創出の仕組み。名称の「B」はBreakthrough(大きな進展)、「E」はEstablishment(設立)を意味する。
OneStreamは2026年4月に設立され、同年6月にトヨタから物流効率化システム「One Stream」の開発・運用および関連サービス提供事業を承継した。
今回、上組、フジトランスコーポレーション、NEインベストメント(日本エンタープライズの子会社)の3社が資本参画したことで、共同出資体制による事業推進が開始された。
物流プロセスの一元管理
「One Stream」は、荷主が出荷する貨物を倉庫で準備し、トラックで港まで輸送し、港湾でコンテナとして船積みするまでの一連の流れにおいて、関係企業が同一の情報を見ながら業務を進められる仕組みである。
現場改善とデジタル化を一体で推進し、システム導入自体を目的とせず業務成果の創出を重視する方針を掲げている。従来は電話、メール、紙、個別システムなどに分散していた情報をつなぐことで、以下の業務を見える化する。
- 倉庫での作業計画
- トラックの配車および待機時間
- 港湾での受付および予約
これにより、荷主、倉庫会社、輸送会社、港湾関係者の業務効率化を支援する。
構造的課題と将来の展望
日本の物流分野においては、ドライバー不足、荷待ち時間、空車回送、港湾や倉庫での作業負荷、企業間・工程間の情報分断といった構造的な課題が存在している。これらは個社の努力のみでの解決が困難であり、産業全体で取り組むべき協調領域とされる。
日本自動車工業会においても「新7つの課題」の一つに「サプライチェーン全体での競争力向上」を挙げ、共同物流やデータ共有、リアルタイムでの迂回・再配分を通じた取り組みが進められている。
OneStreamは、まず港湾・コンテナ物流分野での情報連携と効率化に取り組み、得られた知見や仕組みを活用して将来的にさらなる物流領域での課題解決を目指す。トヨタは本事業を通じて、企業や産業の垣根を超えた関係者との連携を深める方針である。
OneStream 会社概要
| 項目 | 詳細情報 |
| 会社名 | OneStream株式会社 |
| 所在地 | 愛知県名古屋市中区錦2-15-22名古屋伏見Kフロンティア9F |
| 代表者 | 代表取締役 足立聡史 |
| 設立 | 2026年4月 |
| 事業内容 | 荷主、倉庫会社、輸送会社、港湾関係者の間で分かれている物流情報をつなぎ、貨物の準備、輸送、港湾での受付・予約などを効率化する仕組みの開発・運営 |