純正スキャンツール作業の外注サービス試行調査開始、訪問特定整備の対象範囲を拡張検討-第33回 自動車整備技術の高度化検討会

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八木 正純
純正スキャンツール作業の外注サービス試行調査開始、訪問特定整備の対象範囲を拡張検討-第33回 自動車整備技術の高度化検討会

国土交通省は10月13日、第33回「自動車整備技術の高度化検討会」をAP新橋(東京都港区)で開催した。

同検討会では、自動車整備業界における人材確保や技術進展への対応(スキャンツール)など、様々な課題についての議論が行われ、今回は新たに自動車整備事業の生産性向上に向けた取り組みについても議題に上がった。※紹介資料はいずれも同会議の配布資料より

スキャンツールの機能向上に向けた取り組み 駆け込み寺が試行調査開始

スキャンツールの機能向上を促進する環境整備の取り組みは大別して2つある。

まず、汎用スキャンツールの機能向上だ。これはカーメーカーからツールメーカーに提供される、スキャンツール開発に必要な技術情報について抜本的に拡充する取り組みだ。

具体的には昨今の高度化した車両においてセキュリティーがかけられた部位があり、整備作業によってはそこを越えて行く必要があるものの、汎用スキャンツールでは現在越えられない壁となっている。

そこで、カーメーカーが車両のセキュリティー等を確保しつつも提供可能な情報については入手できるルートが、本年7月24日に構築された。自動車技術総合機構が各カーメーカーから、そうした情報を代理購入・一元管理し、汎用スキャンツールメーカーに合理的な価格によって有償提供される仕組みだ。

汎用スキャンツールの機能向上

いま一つの機能向上取り組みは、純正スキャンツールの活用拡充だ。カーメーカーが整備事業者等に提供する純正スキャンツールについて、「活用」機械を拡充するもので、整備事業者が純正スキャンツールを保持する拠点に対して外注することで結果的に純正スキャンツールを使ったことになるという仕組み。

純正スキャンツール活用サービス試行調査の仕組み

この仕組みの本格運用を前にして、本年9月30日より試行調査が地域を限定してスタート。2027年1月29日までを調査期間として、その有効性等を調査し、2027年度中にはそこからさらに次年度以降の施策の検討材料とする構えだ。

試行調査の実施地域は、乗用車系が札幌、神奈川、岡山、大型車系が長野、千葉、大分の各運輸支局管轄内となっている。なお、前回の会議で検討課題に上がった、純正スキャンツールの貸し出し制度については今回触れられていない。

純正スキャンツールの活用拡充 試行調査の概要

訪問特定整備制度の見直し 主に中型車の対象作業が拡大

2025年6月30日に施行となった訪問特定整備制度とは、認証工場が一定のルールの下、自動車ユーザーの自宅等を訪問して特定整備を行えることとするもの。

厳密には2種類あり、1つが「訪問特定整備」。認証工場の設備要件を満たす場所(例:運送会社の整備作業場等)を訪問し、そこで「すべての」特定整備を行えるもの。

もう1つが「限定訪問特定整備」。認証工場の設備要件は満たさないが、安全・品質を満たせる場所(例:ユーザーの自宅駐車場等)を訪問し、限定された作業(ブレーキパッドの交換、発電機の交換、スターターモーターの交換、大特車のステアリングホースの交換)を行えるもの。

すなわち現行制度では、限定訪問特定整備では法定点検による修理は認められておらず、また、安全性・周囲への環境等の観点から上記の4種の作業のみ認められていた。

これに対し、本年7月21日に規制改革実施計画が閣議決定され、4つの視点(整備士の安全性確保、自動車の安全性確保、周囲への環境影響、その他)から対象車種を検討した。

検討の結果、追加要件を課すことで、中型車までの車種について限定訪問整備においても法定点検が実施可能となるよう、同じくドラムブレーキの交換が実施可能となるよう、今後、措置を講じていくこととなった。

訪問特定整備 対象範囲拡張の検討結果
青枠が現行の対象範囲、赤枠が今回拡張を検討することになった範囲