―実費上昇と不正防止を背景に、法定費用が大幅見直し―
国土交通省は令和8年3月6日、「道路運送車両法関係手数料令の一部を改正する政令」を閣議決定した 。近年の物価・人件費の上昇への対応、および自動車の型式指定における不正防止対策の強化を目的としており、実費を勘案した所要の改正が行われる 。施行日は令和8年4月1日である 。
今回の改定は、車体整備事業者が日々携わる継続検査や構造等変更検査、登録実務の法定費用に直結する。特に、書面申請と電子申請(OSS)の料金差が拡大する項目があり、事業運営におけるデジタル化の重要性がさらに高まる内容となっている。
■ 整備実務に関わる主な改定内容
車体整備現場で頻度の高い項目を中心に、現行料金からの変更点を整理する。
1. 登録・証明関連(第1条関係)
新規登録や抹消登録の手数料が引き上げられる一方で、電子申請の優遇措置が明確化されている 。
| 項目(自動車一両につき) | 現行額 | 改定後(令和8.4.1〜) |
| 新規登録(電子申請) | 500円 | 700円 |
| 新規登録(書面申請) | 900円 | 1,300円 |
| 移転登録(電子申請) | 500円 | 600円 |
| 移転登録(書面申請) | 500円 | 700円 |
| 一時抹消登録(電子申請) | 350円 | 450円 |
| 一時抹消登録(書面申請) | 350円 | 500円 |
| 車検証の再交付 | 350円 | 450円 |
2. 検査関連(NALTEC・国への納付分)
車検や構造変更に関する手数料も一律に引き上げられる 。
- 継続検査(小型自動車・検査対象軽自動車):
- 現行 2,100円 → 改定後 2,400円
- 現行 2,100円 → 改定後 2,400円
- 構造等変更検査(小型自動車・検査対象軽自動車):
- 現行 2,100円 → 改定後 2,400円
- 現行 2,100円 → 改定後 2,400円
- 基準適合性審査(国に納める一両あたりの額):
- 現行 500円 → 改定後 600円
3. 不正防止対策に伴う大幅改定
型式指定等に係る手数料は、審査体制の強化を背景に大幅な増額となっている 。
特定改造等の許可申請: 4万円 → 7万円
装置の型式の指定申請: 8万円 → 16万円
特定共通構造部の指定申請: 7万円 → 14万円
特定装置の型式指定申請: 5万円 → 8万円
■ 事業者が留意すべきポイント
- 顧客への事前告知と見積精査: 令和8年4月1日以降の受取・完了分から新料金が適用されるため、車検や構造変更を請け負う際の諸費用明細を更新する必要がある 。
- 電子申請(OSS)の積極活用: 今回の改定では、電子申請と書面申請で最大600円(新規登録の場合)の差が設けられた 。年間件数が多い事業者ほど、OSSの活用がコスト競争力に直結する。
- 構造変更等への影響: 車体整備に伴う構造等変更検査の手数料も引き上げられるため、特装車や改造車の製作・販売を行う場合は、原価管理に注意が必要だ 。
公布は3月11日が予定されている 。4月の施行に向けて、社内システムのマスター更新や、顧客向けリーフレットの準備を早期に進めることが推奨される。