自動車整備をデジタル管理 確実な数値管理を見える化・透明性確保につなげる

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MSRweb編集部
自動車整備をデジタル管理 確実な数値管理を見える化・透明性確保につなげる

 保険金不正請求事件を機に、車体整備事業者はもちろんのこと、広くオートアフターマーケットに携わる事業者は同列扱いの目で見られた。ここでは主に特定整備事業者(分解)の事業の透明性確保に貢献する、デジタル機器・サービスを紹介する。

 近年では、不祥事を起こしたタレントがそのまま番組を降板→事務所との契約も解除といった事例に事欠かない。そのような背景もあってか、社会では何よりも「正しいこと」が求められる。

 こと自動車アフターマーケットにおいては、何よりも象徴的な事件があった。旧ビッグモーター社による保険金不正請求の一連の問題だ。本件をきっかけに、車体整備作業の透明化を求める声が高まり、国交省から示された「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」へと結実したのは記憶に新しいところだ。

 しかし、事件発覚から約2年半、ガイドライン公表からも約2年が経ち、こうした透明性確保の機運は一旦落ち着いてしまった=もはや当たり前のことになり、ことさらに強調されることもなくなってしまってはいないだろうか。

 特に従来の特定整備事業者(いわゆるパターン1or3)にとっては、そもそも「どちらかと言えば、もともと車体整備業界の話でしょ?」と、対岸の火事的にとらえている整備事業者も多いと見られる。

 ただし、思い出してみてほしい。事件発覚当時、一般消費者が「車体整備業界だけが悪い」と思っていたかどうかを。「悪いのはビッグモーターだ」がいつしか「車屋はみんな悪い」と見られていなかっただろうか? どれだけの人が車体整備と特定整備の違いを正しく理解していたかを。

 その点を踏まえれば、車体整備業界がガイドラインをきっかけに透明性の確保、コンプライアンス意識の向上が果たされつつある今、今度は「車屋はみんな正しい」と一律でみなされてもおかしくない。

 そんな情勢で、特定整備事業者がコンプライアンス意識を持たずしてどうするのだろうか。ましてや、指定工場は民間車検場と呼ばれる存在だけに、より一層コンプライアンス意識が求められる。

 以下で紹介する商品・システムを活用して、ぜひとも自社の作業透明性の確保、コンプライアンス体制の確立に努めていただきたい。

 確実な検査品質と現場の作業性向上を両立させ、コンプライアンスが一層求められる完成検査をサポートする車検システム。

 視認性の高い配色とゴシック書体を採用した「Smart-VIS」は、運転席からも遠距離からも見やすい。検査に不備がある場合、検査結果を記録簿に印字できない仕組みで、ヒューマンエラーの防止とコンプライアンス強化に貢献。OSS申請システムと連動可能。

 連動する検査機器は、乗り入れるだけで実走行状態に近い速度計試験が可能な「前後連結型スーパーコンビクワット」や、踏板のロック/フリーを遠隔で切り替え、ロック状態での誤測定を防止する「遠隔ロック仕様 サイドスリップテスタ」など多様にラインアップ。

 車両画像の撮影・保存・管理を行う「Vehicle Snap」は、ナンバープレート名で自動作成されるフォルダに画像を保存。画像の仕分け作業を大幅に削減でき、撮影画像は保安基準確認に加え、交換部品管理、鈑金塗装、中古車管理など、幅広く活用可能。

(問い合わせ先)
アルティア
東京都中央区晴海1-8-12 晴海トリトンスクエアZ 6階
TEL. 03-6777-0038 https://altia.co.jp

 整備工場経営の可視化と整備現場の見える化を整備工場でも使いやすい形で実現した2つのAIシステム。

 「Management Brain」は、財務・業務・人材・集客を分析し、経営課題の抽出と成長戦略の立案を支援する。請求伝票の数値をAIが自動で取り込み、1問1答形式の質問に答えるだけで粗利を即時に可視化する利益分析機能を備える。自社の人件費や設備投資を考慮したアワーレートの自動算出にも対応しており、工賃設定の根拠を数値で示すことができ、現場作業の透明化にもつながる。

 「Pit Brain」は整備現場の見える化を担う。バッテリーの劣化度をバッテリーテスターの数値から判定して交換時期を提示し、顧客への説明根拠となる。オイルマスター機能では適合規格・粘度・交換量を即提示し、多様化する規格にも対応。ホイールの適正締付値を提示するトルク管理機能も搭載し、安全の徹底を促す。

 整備工場を運営する同社だけに知見の基盤に説得力が高い。

(問い合わせ先)
AVARTH(アヴァルト)
岐阜県羽島郡岐南町平島8-10-2
TEL. 058-215-0440 https://avarth-gr.com

 車検ラインシステム「ラインマスター ALM2025」は、OBD検査への対応はもちろん、車両諸元や検査情報の事前設定、視認性が向上した操作画面、直感的な音声・アニメーション案内といった新機能で作業の標準化と効率化を推進する。

 また、同システムのオプション機能として車両画像撮影システムも用意している。ラインマスターとの組み合わせで車検業務の透明性確保、不正防止に貢献する。

 基本機能の車体撮影機能では、ALMリモコンにて操作しネットワークカメラで車体を撮影し、車体の同一性を確認できる。検査ラインにネットワークカメラを固定しておけば、スムーズな撮影及びラインマスターとの連携が可能。

(問い合わせ先)
安全自動車
東京都港区芝浦4-16-25
TEL. 03-5441-3415 https://www.anzen.co.jp

 精度、耐久性、接続性に優れ、トルクを直感的に管理できるデジタルトルクレンチ。

 LED表示や動作アラート及びトルク計測機能を備えており、トルク精度は±2%、角度締め精度は±2°で、高耐久/高精度ギアにより最大25,000回の正確な計測に対応する。最小/最大トルク20~200Nmの「CP8916」と、34~340Nmの「CP8918」の2モデル・4タイプ(アプリ連携の有無)をラインアップ。

 アプリ連携対応のTCタイプは、スマートフォンアプリ「CPLinQ」と連動させることで、員数管理やデータ収集、Excelでの締め付け結果データ管理等の機能が利用可能。トルクレンチで締め付けたデータは「CPLinQ」経由でサーバーに保存され、必要なデータをダウンロードして「乗用車用ホイールナット締付管理ツール」のレポートと連携・活用できる。作業の透明性を確保するために正しい数値管理でコンプライアンスの醸成に努めたい。

(問い合わせ先)
イヤサカ
東京都文京区湯島3-26-9
TEL. 03-5441-6110 https://www.iyasaka.co.jp

 バスや大型・中型トラックなどのホイールナット締め付けデータをExcelファイルで管理できるシステム搭載のトルクセッター。1本ごとに、無線で締め付けデータをパソコンへ送信。過去データの呼び出しはもちろん、リアルタイムで現状を確認できる。また、締め付けトルクはLEDでの表示。設定トルクは液晶画面に表示されており、ワンタッチで切り替えることが可能。

 Xは、自動変速機構なしのため、本締めからの作業に適したショートタイプ、XLは2段自動変速機構付きで低トルク時は高速回転する仕様のため、仮締めからの作業に適したロングタイプとなって大阪府羽曳野市野々上3-6-15 いる。傷や破損の対策としてプロテクターが装備されている。

(問い合わせ先)
空研
大阪府羽曳野市野々上3-6-15
TEL. 072-952-0756 https://www.kuken.co.jp/

 車検業務の効率化とヒューマンエラー防止を実現するシステム。指定工場のコンプライアンスに大いに貢献できる。

 顧客・車両情報をコンピューターでデジタル管理でき、車両ナンバーを登録すれば次回から入力不要となる。車検証情報の自動読み取りにも対応し、帳票類の印字まで一貫してシステム上で完結する。

 ペーパー車検防止の面では、作業内容ごとに標準時間を設定し、設定時間より早く処理が行われた場合に警告を出す機能を搭載している。記録簿への二次元コード印字により、車両の取り違いも防止する。

 コンプライアンス面では、自賠責保険期間の連続性チェックや未入力警告など、適正な処理を促す機能が充実している。利用者ごとに権限レベルを設定することで、検査員以外による不正な書類作成も防ぐ。ラインアップはPro・Light・Easy Plus・Neo・Masterの5シリーズで、車検台数や運用スタイルに応じて選択可能。

(問い合わせ先)
バンザイ
東京都港区芝2-31-19
TEL. 03-3769-6880 https://www.banzai.co.jp

 入庫管理とネット予約を一元化することを目的に、整備工場が自身の経験を基に開発したクラウド型システムで、現場の動きをリアルタイムで共有できる。複数店舗の予約状況や月別の進捗をスタッフ全員が同じデータで確認可能だ。

 予約管理から派生して便利な機能も充実している。車番や氏名での検索機能、伝達事項を書き込めるフリースペース、店舗ごとの休日・入庫調整設定など、業務効率化を支援する。新機能「予定表機能」では、担当者・代車・ピットといったリソースをガントチャート方式で管理でき、工程管理ボードの代替となる。

 作業進捗も一目で把握できる点が特徴だ。CRM機能では顧客データを取り込み、車検満了時期ごとにターゲットリストを作成。SMSやメールで案内を一斉送信でき、コンタクト履歴も記録できる。数多くの整備業向け基幹システムと連動しており、既存の顧客データをそのまま取り込むことができ、LINEとの連携も可能。

(問い合わせ先)
ヤマウチ
香川県高松市田村町397
TEL. 087-867-6868 https://totoco.biz