ハローワーク掲載1万1,351件から読む、工場の「出せる条件」と「伝えていない条件」― 数字の行間に採用力の差が潜む
全国の整備士求人1万1,351件(ハローワーク掲載・クラッチ求人集計2025年)が示す募集条件の実態を地域別・項目別に整理する。自工場の条件がこの「地図」のどこに位置するかを把握することが、採用戦略の出発点だ。
月給・年収の全国実態
月給の全国平均は下限214,592円・上限307,597円・中間値261,094円。年収(賞与込み)は下限323.7万円・上限463.8万円・中間値393.8万円。賞与は96%の求人に支給あり(平均2.2ヶ月・年間平均約77万円)。
その約半年前に当たる、レソリューション調査(2024年・業界従事者1,006人)では29.3%が年収500万円以上と回答しており、「給料が低い」という不満がある一方で、現実の年収分布は一定水準に達しているケースも多い。

整備士が「見たい情報」と工場が「出していない情報」のズレ
ジョイカル調査(2024年・整備工場勤務者352人)では、就職・転職検討時に見たい情報の1位は「給与条件(75.6%)」、2位は「労働条件(73.0%)」だった。
当社(モビリア総合研究所)調査(転職完了者1,249人)では、転職活動中に「求人を探す際に充実していると探しやすい情報」として「休日・休暇の取得実績(38.8%)」、「実際の残業時間の平均値(34.8%)」、「具体的な業務内容・1日の流れ(30.8%)」が上位を占めた。
「給与条件は見る。でも、それだけでは決められない」、これが転職を経験した整備士の本音だ。

「強みが伝わっていない」工場が多数存在する
同じ待遇水準でも、休日数・残業時間・設備情報・昇給実績を明記した求人と、最低限の項目だけの求人では、整備士の応募行動は大きく変わる。
当社調査では、転職活動中に88.4%が「不便や困りごとを感じた」と回答しており、その2番目の理由が「求人情報が不充分・実態が分かりにくい(37.2%)」だった(1位は「履歴書・職務経歴書の作成が面倒/負担が大きい」の38.0%)。
工場の強みは月給の高さだけではない。清潔な作業スペース・最新設備・資格手当を明示して求人票に載せることが、選ばれるための最初の一手だ。

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