中古車販売大手BUDDICAが販売した車両において、納車直後にタイヤのワイヤーが露出するほどの深刻な摩耗が発覚した。一連の問題について、とうとう原因の究明がBUDDICA側からなされた。詳しく見ていこう。
ワイヤーが露出したタイヤで納車——BUDDICAの問題が問いかけるもの
https://msrweb.jp/article/10278/
本来交換すべきタイヤを交換しないまま納車したことは、当社の責任です
事の発端は、BUDDICA姫路店が販売した車両を納車された顧客が、タイヤの重大な不備を発見し、Xに投稿したことだった。これに対し、代表の中野氏は即座に自身のSNSアカウントで「本来交換すべきタイヤを交換しないまま納車したことは、当社の責任です」と非を認め、謝罪した。
BUDDICA社は迅速な対応に着手。顧客への代車提供、第三者機関による車両点検、三菱自動車およびタイヤメーカーへの確認を進めた。同時に、原因究明と再発防止策が確立されるまで、当該店舗である姫路店の新規販売を停止し、全店の在庫車両1,093台のタイヤを2人体制で一斉点検するという徹底した措置を取った。この対応には、顧客の安全を最優先する強い意志が示された。
交換の指示が出ているはずのタイヤを見落とした
問題の車両はタイヤ1本にワイヤーが露出するほどの著しい摩耗があり、走行に適さない状態であったことを確認したという。顧客は納車当日に自身でタイヤ4本を新品に交換していた。
同社の調査で明らかになった原因は、人為的なミスが重なったことによるものだった。当該車両を仕入れた際の受け入れ検査において、担当者がタイヤの状態を誤って記録。同社の基準では交換指示が出るべき状態であったにもかかわらず、その見落としが最初の過ちとなった。さらに、その後の納車前確認の工程でもこの不備が看過され、本来あるべきチェック機能が働かなかったことが明らかになった。同社は、外部の専門整備事業者による確認で車両自体に異常はなかったとしつつも、一連の検査体制の不備が招いた結果であると結論づけた。
また、この車両に関しては、顧客が希望していたナンバーの申請に誤りがあり、納車時に希望通りのナンバーで引き渡せなかったという別のミスも重なっていたことが報告されている。
現場の判断だけで終わらせず、本部が必ず確認する二重チェック体制に
BUDDICAは今回の事態を重く受け止め、具体的な再発防止策を公表した。今後の運用として、仕入れた全ての車両について、タイヤの残り溝や偏摩耗などの状態を数値と画像で記録。そのデータを本部が確認し、承認した車両のみを販売在庫として掲載するプロセスを導入する。
さらに、交換指示が出されたタイヤについては、実際に交換が完了したかを納車前に本部が書面と画像で再度確認し、承認する仕組みを構築。現場の判断だけに依存せず、本部が介入する二重のチェック体制を確立し、全ての記録を保管することで、管理の厳格化を図る方針だ。また、全店で新たな確認体制が整うまで、姫路店およびオンライン販売「BUDDICA DIRECT」の新規販売停止を継続することも明言した。
現在はBUDDICA社と誠実な対話ができております
一方、被害を受けた顧客は、10月13日にBUDDICAの中野優作社長、中野大助副社長、担当エリアマネージャーの3名が直接広島の自宅まで訪れ、謝罪と調査結果の説明を受けたことを報告した。顧客は自身のSNSで、「今後の保証や対応につきましても、誠意をもって丁寧に対応していただける旨のご説明をいただいております」と述べ、同社の真摯な姿勢を評価している。
また、相談した弁護士からも「BUDDICA社が諸問題および納車当日から以後の保証について真摯に対応されており、現状弁護士が介入する必要はない」との見解を得ていることを明らかにした。その上で、「当事者双方に対する過度な投稿等はお控えいただき、温かく静観していただけますと幸いです」と周囲に呼びかけ、建設的な対話が進んでいることを示唆した。
本件は、インターネット上で企業の安全管理に対する厳しい批判が巻き起こる一方、経営トップによる迅速かつ誠実な謝罪対応を評価する声も上がるなど、賛否両論を呼んだ。中古車業界全体に対しては、納車前点検の重要性と、その手順をいかに徹底するかが改めて問われる形となった。BUDDICAが掲げた「本部による二重チェック体制」は、信頼回復への第一歩であり、今後の業界における品質管理の一つの指標となりうる。企業の信頼は、問題発生時の対応速度と透明性、そして実効性のある再発防止策を構築し、それを着実に実行できるかにかかっている。