横浜ゴムは2026年7月10日、タイ天然ゴム公社(以下、RAOT)スラタニ支局と共同で、天然ゴムの品質および生産性向上を目的とした第11回セミナーイベントを開催したと発表した。本イベントは2026年6月に、横浜ゴムの天然ゴム加工会社であるワイ・ティー・ラバー(以下、YTRC)が立地するタイのスラタニ地区で実施された。
今回のセミナーにはスラタニ地区の農家50戸が出席した。受講した農家には後日、横浜ゴムからRAOTの知見を活かした肥料が無償で提供されるなど、持続可能なサプライチェーンの構築に向けた実務的な支援が行われた。
セミナーの講義内容
本セミナーでは、農園経営に関わる多角的な講義が実施された。具体的な講義項目は以下の通り。
- 土壌と植物の栄養素
- 肥料の適切な使用方法
- 天然ゴムへの異物混入防止の重要性
- ゴム農家の作業安全、健康被害、品質向上、農業経営の考え方
また、地域の行政機関、警察署、病院の代表者を来賓として招聘し、以下のテーマに関する講演も行われた。
- 外国人労働者の雇用に関する法令の概要
- 農園で働く外国人や少数民族の人権尊重と地域社会との共生
- 交通安全
- ゴム採取の危険を防ぐ労働安全衛生の重要性
イベント後に実施されたアンケートでは、体系的な知識の習得や異物混入に対する意識の向上を示す声が上がった。また、今後はタッパー(ゴムの木の樹皮を薄く削り、樹液を採取する作業を行う人)に必要な知識や注意点を共有するという生産管理体制の改善への意欲や、タイヤメーカーと農家との信頼関係深化につながる感想が寄せられている。
支援制度の概要と条件
今回の農家支援活動における対象者や条件などは以下の通り。
- 対象者:タイのスラタニ地区における天然ゴム農家50戸
- 費用:セミナー受講農家への肥料提供は無償
- 開催回数:2020年の初開催から数えて11回目
- 適用範囲:YTRCが立地するタイのスラタニ地区
- 根拠方針:「持続可能な天然ゴムの調達方針」
本取り組みは、横浜ゴムが2020年1月にRAOTと締結した天然ゴム農家の経営支援およびサプライチェーンの透明性と健全性を確保するためのトレーサビリティ向上に関する覚書に基づいている。横浜ゴムは持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム(以下、GPSNR)に創設メンバーとして参画しており、2021年9月には従来の「持続可能な天然ゴムの調達方針」を改定してGPSNRの活動との連携を強めている。今後も同方針で定めた活動指標に沿った取り組みを実施し、公表していく方針である。