「実際に転職相談に来た人」と「整備工場で働く人全般」、母集団の異なる2つのデータを重ねると、転職活動中の本音がより鮮明に浮かび上がる
「転職活動中の整備士が次の職場に求めるものは何か」、この問いに正確に答えるには、誰に聞いたかが重要になる。今回参照する2つのデータは異なる母集団を持っており、読み方に注意が必要だ。
アプティ(カーワク)調査は「全数が転職活動中」の確認済みデータ
アプティ(カーワク)に寄せられた転職相談データ1,651件(2025~2026年・全数が転職活動中・調査元確認済み)によれば、転職理由の全体1位は「給与(30.5%)」、2位は「仕事内容への不満(24.8%)」。実際に足を運んで転職相談に来た人のリアルな動機が反映されている点で、本特集が転職活動中の代表データとして最も重視するものだ(→特集②)。
ジョイカル調査の「次の職場の条件」は全体回答に注意が必要
ジョイカル調査(2024年・整備工場勤務者352人、Q1)では転職を「考えている」が40.9%、「考えていない」が44.9%、「分からない」が14.2%という母集団構成だ。転職理由(Q2)は転職意向者144人に絞って聴取されているが、「働きたい工場の特徴(Q3)」は転職意向の有無にかかわらず全352人が回答している。

すなわち、「職場の環境が良い(65.3%)」、「職場の社風が良い(55.7%)」という数字は、転職を考えていない人も含んだ「理想の職場像」として解釈するのが適切だ。
それでも「ジョイカルのデータ」が示す重要な示唆
母集団の性格を踏まえた上で、ジョイカル調査の「働きたい工場の特徴」は業界全体の「理想の職場像」として有効なデータだ。
「良いと思う職場の環境(Q5)」とは「作業スペースが充分に確保されている(72.6%)」、「安全な作業を行うための設備が整っている(67.8%)」、「休憩スペースが設けられている(55.7%)」を指し、「良いと思う職場の社風(Q6)」とは「上司・同僚との関係が良好である(79.6%)」、「コミュニケーションが活発である(69.4%)」を意味する。

また「良い待遇(Q8)」の中身は「業務に対して給与が正当に支払われる(88.6%)」、「福利厚生があること(77.8%)」、「資格手当がある(73.9%)」だ。これらは求人票に書けない情報ではなく、書かれていない情報だ。作業場の写真、先輩スタッフの声、資格手当額、の「見える化」が人を集める。

←特集③はこちら
特集⑤はこちら→