前回の事務連絡発出から3年、「指定自動車整備事業におけるフィルム類が装着された自動車の取扱いに係る留意事項について(依頼)」が、3月13日、国土交通省から日本自動車整備振興会連合会(日整連)宛てに発出されたことが分かった。同時に日整連から各地の自動車整備振興会宛てにも通知がなされ、各整備振興会も自身のwebサイトを通じてその旨を相次いで報じている。
同事務連絡は、近年、一部の指定自動車整備事業者において、前面ガラス及び側面ガラスにフィルム類が装着された自動車の点検整備等にあたり、可視光線透過率測定器(以下、測定器)による可視光線透過率の計測を行っていないにもかかわらず、「保安基準に適合していないおそれがある」と説明して自動車ユーザーにフィルム類のはく離を指示する事案が発生しているとの情報が同省に寄せられており、また、指定自動車整備事業者による測定機の取り扱い方法が充分に理解されていないことにより、本来であれば保安基準に適合するものが不適合と判断される事例も発生していることを受けて、フィルム類が装着された自動車の取り扱いを正すべく発出されたもの。

ただし、3年前の同様の事務連絡では、その事務連絡自体の解釈を巡って現場が揺れたこともあって、連絡項目数こそ同じ2つであるものの、大幅に手を加えられた。まず挙げられるのが、表題にも「フィルム類」とあるように、色の種類を問わない姿勢が示されたこと。
前回の事務連絡においては、そもそも表題からして「着色フィルム」と謳われており、無色透明フィルムを装着(貼付)した場合の透過率の判定方法をどうするべきなのか? で議論が割れたことを受けてか、無色・着色を問わないフィルム全般を対象とすることと、「(車検を通すために)フィルムをはがす必要がある旨の説明を行う場合に」測定器による計測を行うことが明確化された。
前回の事務連絡でもう1つ議論になったのは、測定器の指定問題。あくまで<参考>という形だったが、測定器の例として特定の機器の型番が載っていたことから、この機器が透過率を計る場合の事実上の指定機器であるかのようにとらえられてしまった。
ある意味大混乱の最たるものでもあったが、今回の事務連絡では具体名は削除。それに代わって、測定器による計測値に信ぴょう性・公平性を持たせるためか、新たな項目として、「計測器の適切な取り扱い」に関するものが設けられた。適切な取り扱いとは、正しい手順で計測を行うことと、同じく正しい手順で機器自体の校正を行うことを指している。
なお、今回の事務連絡を見渡して分かることは、「フィルムをはがす必要がある場合には、その説明をするための根拠として測定器による計測を行う」よう規定していること。裏を返せば、「はがす必要がないならば測定をしなくても良い」とも解釈できる。
3年前の事務連絡でも、「可視光線透過率の適合性を視認により容易に判定することができない場合にあっては測定器を使って判定する」旨の表記がなされており、この場合の逆のケース、「~容易に判定することができる」無色透明フィルムの場合は視認による判定で良いと解釈された。
関連として、当編集部で国土交通省の担当部署を昨年5月に取材した際も、自動車技術総合機構の現場判断で目視による判定で終わりにしているケースもあると言及していた(MSR2025年6月号参照)ことから、この運用は残されたと見てよいだろう。