愛車広場カーリンクなどを運営するチームエルは9月10日、コングレスクエア日本橋(東京都中央区)で企業文化フォーラムを開催した。
このところ、「物価上昇・賃上げ時代に生き残るのは企業文化が根付いている会社である」と提唱する同社ならではのイベントで、基調講演、企業文化調査結果及び表彰、表彰を受けた2社による事例発表、最後に企業文化のつくり方の方針提示と総括講演とプログラムは進んだ。
好ましい企業文化を構成する5つの要素
今回のフォーラムは、同社の行った「企業文化調査」が起点となっている。同調査は5つの項目について各5点満点で評価された。この5項目とは、同社の掲げる「好ましい企業文化を構成する5つの要素」のことであり、それは表の通り。
| 理念経営 | 自社の経営理念を理解・共感し、理念に沿った行動をしているか? 顧客に喜んでもらうために努力し、顧客の喜びがモチベーションになっているか? 知識や経験が共有される文化があるか? 周囲と協力して価値創造しているか? |
| 誇りと向上心 | 自社の商品やサービスを扱えることに感謝し、自信を持ち、よりよくする努力をしているか? 顧客に感謝し、顧客が喜んでくれていると感じ、より良い関係を築く努力をしているか? ともに働く仲間に感謝し、仲間を信頼し、より良い関係を築く努力をしているか? |
| マネジメント | 目標と行動計画が明確であり、目標を達成するために全力を尽くしているか? |
| 3つの実感 | 常に自己成長課題が明確であり、全力を尽くし、自己成長を実家できているか(成長感)? 常に顧客や仲間の役に立っていると感じ、それが会社に認められていると感じているか(貢献感)? ともに働く仲間と一体感を感じ、仲間と過ごす時間を楽しいと感じているか(連帯感)? |
| 2つの前提 | 自由闊達に相談したり、自分の意見を発言することができるか(心理的安全性)? 職場が衛生的であり、コンプライアンスが遵守され、正当に評価される仕組みがあるか(労働環境)? |
フィールド(5項目平均値4.59)の事例:数字の追求からの変革 ”想い”を企業の文化に
和田篤之社長が中古車・輸入車販売店などを経て、2016年に独立・創業したフィールド。3人で企業したものの、長く「和田商店」(=社長だけ居れば充分、組織になっていない)と言われていたことに気づき、会社を変えたい一心で愛車広場カーリンクに加盟したことがきっかけとなり、様々な経験を経て現在に至る。
自らの限界を受け入れ、持続的な成長を実現させた核心は以下の3点に集約される。
- トップの覚悟と理念の言語化・実践 私利私欲を捨て、外部で学びを通じて想いを「理念」として徹底的に言語化。言動で率先垂範し続けた。
- 理念と連動した「仕組み」と「関係性」の構築 採用・評価制度に理念を組み込み、家族同伴イベントなどを通じて心理的安全性と強い絆(関係性)を構築した。
- 組織の自走と顧客満足の好循環(集合天才) 「任せる経営」へ移行。社員自らが考え、挑戦する文化が定着。高い心理的安全性が顧客満足度の向上(評価4.7)という定量的成果に直結。
イプラ(5項目平均値4.68)の事例:”顧客第一”を社長一人の力から組織の力へ
業界初のオイル交換シールを生み出した会社を2004年に小田泰平社長が承継。債務超過で引き継ぎ、早くから単一事業からの脱却を図り、自動車販売店の集客用品の企画・開発・販売から、現在はそれだけに限らず「(幅広く)集客を支える会社」として進化したのが現在の姿。
- 社員が安心して働ける「労働環境」
- 自分の意見や困りごとを素直に伝えられる「心理的安全性」
この「2つの前提」を日々のかかわりの中で積み重ねていくことが企業文化の土台となった。
総括講演:苦境が組織を創る

最後はチームエル恒例の堀越勝格社長による総括講演が行われた。発表事例に学んだ3つのこととして、
- 艱難(かんなん)汝を玉にす 経営に直面する最も苦しい艱難はいつも”人”に関すること
- 組織創りがすべて あなたが全力で創り続ける組織があなたの会社の将来を保証するのだ
- 打ち手が多い 組織を良くすることを考え抜き、アイデアをどんどん実行していく
以上を掲げた。「スタート地点は、どんな会社も苦労の連続。先が見えないこともある。しかし、壁に当たった時こそ、その壁に対する態度がその後を決めるということ。いい会社創り、いい組織創りの道に終わりはない。ただ、その道のりは見方によってはとても楽しいもの」と、講演及びフォーラムを締め括った。
