車の販売など、商談では「クロージング」が重要だ。クロージングは、顧客に商品やサービスの購入・契約を最終決定してもらうためのプロセスであるが、顧客の不安を解消した上で、意思決定を促し、能動的に成約へと導いていく。ディーラーの営業では、このクロージングの得手不得手によって、受注率が大きく変わることも少なくない。
クロージングが重要なのは、人材採用の面接も同様だ。経営者が、あるいは全幅の信頼を置く採用担当者が、面接で「この人を採用したい!」という人材と出会ったなら、迷わずにすぐクロージングするべきだ。
人材採用におけるクロージングのポイントは、とにかく「思い切り熱意を伝えること」に尽きる。自分に好意を持って求めてくれる人、自分を高く評価してくれる相手に対しては、返報性が働き、自分も好意を持つものである。
「結果は後で連絡する」などと変にもったいぶるのではなく、ストレートに思いを伝えたい。
クロージングの5つのポイント
- 応募者のどこが気に入ったのかを詳しく伝える
- 自社で働けば活躍できる、成長できるということを伝える
- はっきりと「来てほしい」と伝える
- 「ウチはあなたにぴったりの会社だ」と背中を押す
- (可能なら)希望の給与よりも高い期待給与を伝える
クロージングの際は、これらのことを押さえておくようにしたい。 そしてこちらの意志を伝えたら、相手の意志を確認していく。その際は、テストクロージングが重要だ。
これも商談では一般的な手法であるが、相手がこちらの提案に対し、どの程度関心を持っているのか、疑問や不安を持っていないか、もし疑問や不安があるとしたらそれを解消できたら当社を選んでもらえるのか、ほかにも検討している会社はないのか……などの質問をしながらテストクロージングを進めていく。
ウチを選ぶことを真剣に考えてくれていると確信を持てたタイミングで、熱意を持って背中を押してあげたい。繰り返しになるが、応募者が面接を受けるのは、あなたの会社だけではない。「ウチが一番、あなたを採用したいという熱意を持っている」ということは、即伝えるべきなのだ。
第11回に続く
※MSR2026年1月号掲載
(筆者プロフィール)
關 友信 株式会社チームエル
取締役CMO。2006年に愛車広場カーリンクのチェーン展開開始と同時に、カーリンク基礎研修の開発に着手、その後も直営店の出張査定センターのマネジメントやディーラーコンサルティングなど、幅広く様々な仕事を経験、2014年からはCaSSの会員制度を立ち上げ、会員向けのサービスや企画を開発。