前回、人が辞めないためには、「成長感」、「貢献感」、「連帯感」の3つの実感が必要なことを書いた。その中でも最も確立しやすいのが「連帯感」である。ここからは、私たちチームエルが行っている「連帯感」を高める仕組みについて話したい。
チームエルでは、内定から入社日までの間が空く場合、新人を招いた食事会を行うことがある。これは大げさなものではなく、幹部や採用担当者、歳の近い先輩社員などで「入社を楽しみに待っている」という歓迎の気持ちを伝えるものだ。
そして、入社。まず、全社員で行うのが「ウェルカムパーティー」である。パーティーという名称だが、飲み会などではなく、オフィスや会議室で、業務中に、時間にすれば15分程度。入社当日でなくても構わないが、社員がそろう場で開催するのが好ましい。
内容はとても簡単で、新人のパーソナルな情報を「クイズ形式」にして出題し、社員の皆に相手の人となりを知ってもらうのだ。
「〇〇君は学生時代から、ある武術に取り組んでいました。次のうちどれでしょう?」
「〇〇君はお父様からとても大切な『人生の教訓』をいただいたと言います。次のうちどれでしょう?」
こんな感じで、2~3問。カジュアルに行えばよい。 簡単でカジュアルではあるが、実はこの全社員によるウェルカムパーティーは非常に大きな効果を発揮する。
「新人は、まず入社時に挨拶と自己紹介」。これが通例となっている会社も多いと思う。つまり「新人から既存社員へ話すべき」というものだが、この方向性を、「既存社員から新人へのアプローチ」=ウェルカムの意思表示とすることで、その後のコミュニケーションが極めてスムーズになる。
「新人がなかなか、なじもうとしてくれない」
「会話がなく、ずっと黙っている」
既存社員から、そんな愚痴が出る組織は実際に存在する。実はかつては私たちも、新人に対してそんな思いを抱き、どうしたらよいかと考え悩んだこともある。
しかし、答えは簡単だった。相手からではなく、こちらからコミュニケーションを取るべきだったのだ。「なんで話しかけてこないんだ?」と思う前に、自分が話しかければよい。
既存社員にとってはホームである自社も、新人にとっては完全にアウェイ。垣根を取り払うのは、既存社員の役目なのだ。
(筆者プロフィール)
關 友信 株式会社チームエル
取締役CMO。2006年に愛車広場カーリンクのチェーン展開開始と同時に、カーリンク基礎研修の開発に着手、その後も直営店の出張査定センターのマネジメントやディーラーコンサルティングなど、幅広く様々な仕事を経験、2014年からはCaSSの会員制度を立ち上げ、会員向けのサービスや企画を開発。