丸紅、南アフリカ「TiAuto(タイオート)社」を買収しアフリカのカーメンテナンス事業へ初参入

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木下 慶亮
丸紅、南アフリカ「TiAuto(タイオート)社」を買収しアフリカのカーメンテナンス事業へ初参入

 丸紅が南アフリカ共和国をはじめとするアフリカ南部でカーメンテナンス事業を展開する「TiAuto Investments Pty Ltd」の子会社化に合意し、アフリカ市場における同事業へ初参入した。

アフリカ市場への参入背景と狙い

 丸紅が新たな参入先としてアフリカ市場に着目した背景には、同地域における急速なモータリゼーションの進行があり高い経済成長が見込まれるため。特に南アフリカでは新車販売及び自動車保有台数、交換用タイヤ市場の拡大が拡大しており、昨年からBYD、奇瑞汽​車などの中国カーメーカーが参入し倍近くにブランド数が増えている。現在はトヨタ、スズキが未だに根強い人気を保っているが、今後数に圧倒されシェアを奪われることがあるかもしれない。やはり、南アフリカでのカーメンテナンス市場における年率約6%(丸紅リリースでの公表値)という成長値は魅力的なのだろう。

【補足】丸紅のカーメンテナンス事業
2006年にタイのB-Quik Co., Ltdを買収後、カーメンテナンス事業に参入。タイヤやオイル、バッテリーの販売・交換をワンストップで提供し、幅広いブランド数を取り扱うことで、付加価値を提供する収益性の高い事業モデルとして‟B-Quik社モデル”を位置付けている。同事業を海外展開する際のベースとなっている。

新興国の「空白地帯」を狙う

 同様のサービスは、国内ですでにオートバックスセブンやイエローハットなどのカー用品大型チェーン店が展開している。当然丸紅も、グループ会社である丸紅オートモーティブがBtoB(企業間取引)中心でアフターパーツなど海外自動車部品を輸入して国内企業に卸したり、ガソリンスタンドを拠点に丸紅エネルギーを通じ車検やメンテナンスサービスを提供している。

 日本国内で大型メンテナンスチェーンを新たに立ち上げるのではなく、アフリカ、東南アジア、中南米などをターゲットにしているのは、少子高齢化や若者の車離れにより、中・長期的に見ると国内の自動車保有台数は減少していくと予想でき、その上、成熟と縮小の傾向が見られ、小売市場としては飽和状態に近いかつ激戦区の日本でゼロから店舗網を築くのはコストとリターンが見合わないからだろう。

 一方で、これから車社会が本格化するアフリカや東南アジア地域では、車の数が激増しているにも関わらずワンストップ型のメンテナンスチェーンがまだ十分に育っておらず、個人経営の小さな自動車修理工場での対応が主流となる。「これから需要が爆発する成長市場に、質の高いワンストップサービスを持ち込んでシェアをいち早く獲得する」という先を見据えた戦略である。

 アフリカでは、一足先に豊田通商がガソリンスタンドを併設しフランチャイズ展開を始めている。丸紅は直営店を中心に大型店舗を展開する方針であり、後発として異なるファイトスタイルで挑む。身近なたとえでは豊田通商がコンビニエンス型、丸紅はホームセンター型といったところだろうか。今後の動向を見守りたい。

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