自動車整備にDXを積極活用し、経営改革を進めるツカサ工業(長野県大町市)と同社の佐藤憲司社長。近年は地域部品商をグループ会社化し、部品のデリバリーを含めた商流改革で、入庫から納車までのスピード化を図るなど、話題をさらっている。
その佐藤憲司社長が、今、スナック業界に目を転じ、熱視線を送る。スナック業界を変革するインフルエンサー、なっちゃんママとの異色対談は、いよいよ後編へ。業界の伝統を重んじつつ、若い感性が新たな扉を開く。
ゼロから開業できるオンライン講座「ネオスナックアカデミー」
佐藤社長 自分と同じレベルのエネルギーを出している人に出会うことって、異業種でも本当にレアケースなんだけど、なっちゃんママとは、自分と同じ方向を向いていることがインスタ越しでもすぐに分かったんだよね。
それがなっちゃんママとの出会いだったんだけれど、それからは「eagle.」に月一で通うようになって、3回目に「eagle.」に来た時だったかな。なっちゃんママが「夢を持っている」という話しをしてくれて。その取り組みに、すげーな、と思ったんですよ。
たとえば、なっちゃんママが主宰している「ネオスナックアカデミー(NSA)」っていう、ゼロから開業できるスナック経営の講座をSNS上で配信するプロジェクトがあるんだけれど、とにかくもう、その向上心にすげーなと思って。なっちゃんママは自分の一個上で、でも半年くらいしか歳は変わらないんだけれど、そのエネルギーを強く感じる。
なっちゃんママ 実は、野望はたくさん持っています。そんな野望の一つひとつをけんちゃん(佐藤社長)はきいてくれましたね。NSAはその野望のうちの一つです。自分の時間や人生を自分らしく豊かにすることって、とても大切で、そうした生き生きした姿は、周りのみんなを笑顔にすることができると思う。そうやって誰かの居場所を作れる人たちが溢れる社会にしたいんです。
わたしがラウンジ「eagle.」を開業した時、サポートしてくれた方々がたくさんいました。そういう皆さんのご縁に支えられて、今のわたしがあるのですが、今度はわたしが、そのサポートを恩返ししていきたいと思い、NSAの活動をスタートさせています。
DXでスナック業界を変革し、地域ブランドへと押し上げる
佐藤社長 なっちゃんママには「ナイトワークは究極のおもてなし」という理念があるんだよね。その思い入れを具体化するために、健全なスナックを増やしていきたいという目標があって、そのためにはママを育てることが重要で、こうした取り組みにいきついている。
これは自動車整備業界も大いに参考にしなければと思うんです。人材のこと、DXの取り組みとか。
なっちゃんママ NSAはオンラインのセミナーなので、スマホなどでいつでも視聴が可能にしています。スナック開業のノウハウや情報って世の中にたくさんありますが、結局どれが重要なのかは分かりにくいんです。
実はわたしも「eagle.」開業の際に、知識が足りなくて160万円の初期費用を無駄にしてしまった経験がありました。そんな無駄な失敗をしないための知識などを厳選して講座の中に盛り込み、補助金や助成金の活用方法から選ばれるママのコンセプト設計、常連さんが自然に増える関係性の作り方まで、開業の全工程を一気に学べる内容にしています。
佐藤社長 NSAはLINEと連携するなどハードルが低い。なっちゃんママが経験してきた成功パターンの動画などが盛り込まれていて本当に興味深い。
なっちゃんママ わたしはまず、スナックのイメージがあまり良くないっていう固定観念を変えていきたいと思っていたんです。南陽市の観光えくぼ大使に就任したことで、少しずつ風向きが変わってきたなーって感じています。
ネオスナックは観光資源になると思うんですよ。もっと野望をいうと、地域ブランドにもなり得ると。スナックには、そういうポテンシャルがあるんです」
佐藤社長 スナテクの導入もスナックの健全性に貢献しているよね。支払いは登録したクレジットカードで簡単に行え、料金明細や領収書が自動送付。また、店舗の垣根を越えて、お店のスタッフや知り合いにドリンクを差し入れすることができるし、それを受けてメッセージのやりとりも可能なんです。
お店側としてもユーザー情報と履歴、顧客同士のつながりも見える化し、自動会計だから、作業負担も減る。これまでアナログだったスナックが、デジタル化したらこれだけがらりと雰囲気を変えることができる。
クルマ屋はデジタルが入ってきているんだけど、今ひとつスマートじゃない。もう一歩、クルマ屋のDXを前進させたいんだよね。

異業種とつながり、自動車整備のサービスをスマート化せよ!
なっちゃんママは仕事中の合間を縫って、今回の対談が実現した。なっちゃんママが観光大使に就任した決め手は、南陽市市長が北海道に出張した折、3人からなっちゃんママの話しを聞いたこと。しかも3人とも別々の場面である。
北海道まで名を轟かせるなっちゃんママ。スナックは地域ブランドになり得るというのはあながちオーバーな表現ではない。

佐藤社長は対談後、「DXで経営改革するという思いは異業種のほうが強く、ノウハウも持っている。だから異業種から学ぶことのほうが大きくて、なおかつ自動車整備のDXの道しるべをつけてくれるような気がしている。「スナテク」やなっちゃんママが行っているツールや仕組みには、我々自動車整備本来のサービスを健全に提供するためのヒントがある」と総括した。
なお、佐藤社長はスナテクで唯一のアンバサダーを務めている。また、この7月には自動車整備を中心とした人材が「eagle.」に集まり、ネオスナックとDXを直接体験する赤湯会議が開催された。今後も随時開催され、その輪を広げていく構えである。
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