激震!改正保険業法 顧客本位の社内体制をどう構築するか

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泉山 大(プロジェクトD)
激震!改正保険業法 顧客本位の社内体制をどう構築するか

中古車販売店の自動車保険金不正請求問題に加え、大手損害保険会社間における保険料のカルテル問題を契機とする、今回の法改正を巡っては、昨年来より金融庁、ワーキンググループ、そして保険業界と現場で様々な議論が戦わされてきた。

昨秋、改正保険業法案が可決されて以降、モーター代理店の現場では激震が走り、その余震は今も続く。今回から3回シリーズで保険業法改正とモーター代理店の今後についてレポートする。第1回目は改正保険業法改正に伴う現場の状況である。

 6月1日、改正保険業法が改正され、代理店及び保険会社の双方で規制が厳格化された。多岐に渡る法改正だが、改正のポイントは概ね以下の5点に絞られる。

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 改正法のひとつである社内体制の整備については、法改正の対象が特定大規模代理店に定められており、その他の代理店は無関係であると思われがちだが、対象に該当しない兼業代理店についても大規模代理店の体制整備に準じた態勢整備がなされることが望ましいとされ、現実的にはモーター代理店のすべてが、法改正の対象となる。また、保険会社の監督指針も厳格化されたため、保険会社の監督下にある代理店は法改正の下でルールに則った運営が求められることになる。 

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 自己診断チェックシートは各保険会社から各代理店に送付され、代理店が自社の状況を自己診断するというもので、損害保険会社はその回答に基づき、「コンプライアンス違反のリスクが高い」と判断した代理店に対して、契約解除を敢行している。その改革は今年度に入っても勢いは止まらず、今後もまだまだ続きそうな情勢である。関係者によると、兼業代理店の数はこれまでの2割程度にまで減るだろうとも言われ、これまでに類を見ない代理店改革が行われている。

 約170にも及ぶ自己診断チェックシートの項目には、「内部監査室」の有無や「顧客との対応履歴(ログ)」の有無、あるいは「サイバーセキュリティ対策」などについて求めるなど、中小の代理店にとってはシビアな内容が含まれているという。また、募集人の資格水準に達していない場合や、資格取得に対する講習の受講を求める項目など、実施できないケースにおいては代理店手数料がカットされる内容も含まれているという。したがって、代理店契約の解除でなくとも代理店の格付けが落とされる事態も生じている。

 つまり、モーター代理店にとっては法改正への対応もさることながら、損害保険会社が求める代理店体制(態勢)へのアジャストも進めなければならず、挙績の多寡にかかわらず、すべてのモーター代理店が自社の体制管理を見直す状況に直面していると言えるだろう。

 ただし、モーター代理店の規模によっては、体制管理の整備が行えないところもあるわけで、代理店自身の見極めが必要となる。また、乗り合いを行っている代理店では、自ら契約解除を申し出るケースもあるようだ。

 契約解除が進んだ場合、整備事業者の中には自賠責保険を発行できない事例も出てくる可能性も否定できないとともに、そうした事例が実際でているとの声も挙がっている。

 こうした状況にあって、モーター代理店の混乱に拍車をかけているのが、保険会社による支援体制の打ち切りである。

 保険業法改正による「保険会社等による保険契約者等への過度な便宜供与の禁止」により、代理店支援もモーター代理店に対する出向者はもちろん、これまで行われてきた支援策は停止された。また、保険会社の情報漏洩リスクを低減する目的で、各損害保険会社の営業担当者がモーター代理店店舗への訪問を取りやめるケースも相次いでおり、代理店側の保険募集業務に支障をきたしている事業者も少なくない。これまで保険会社の手厚い支援の下で保険募集を行ってきた代理店は、後ろ盾を失いつつあり、自力でのオペレーションを余儀なくされている。

 ただし、法改正の目的は顧客本位の保険商品を提供するという本来業務への移行が目的である。その体制をどのように構築していくか、代理店側も検証し、展望していかなければならない。次回はその具体的な体制づくりについてレポートする。