激震!改正保険業法 第2回 保険募集の管理体制と教育は非属人化の仕組みとDXがキーポイント

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泉山 大(プロジェクトD)
激震!改正保険業法 第2回 保険募集の管理体制と教育は非属人化の仕組みとDXがキーポイント

 保険会社を相乗りする代理店の規制強化に端を発した改正保険業法は、モーター代理店というカテゴリーの存在意義を再定義する大きなうねりになりつつあることは前回お伝えした通りである。保険会社は法令によって、代理店の監視体制強化が義務付けられた。また、保険会社各社が行う手数料ポイント制度の評価もスタートさせており、保険募集が適切に行われているか、保険会社は代理店に対して、定期的な監査を実施する。

「管理」「教育」「記録」の3本柱

 代理店はそのモニタリングのレベルに沿った体制の強化が求められることとなった。その体制に求められる要素とは、大別すると「管理」「教育」「記録」の3点である。

 兼業特定保険募集人であるモーター代理店の管理体制は、保険金請求にかかわる整備(修理)と保険募集現場の明確な分離を実施することが求められている。このため、その社内監視を行う統括的な管理者の設置が各保険会社から求められている。

 その条件は保険募集の現場を第三者的な視点で見られる立場の人材であるとともに、保険募集の業務を熟知している必要があるため、保険募集人資格を有する人材が適任であるが、その場合、保険募集業務に携わらないことが条件と言われている。

 ディーラーはもとより、大きな規模のモーター代理店でも、この管理者の選任はハードルが高い。ましてや、人手不足や働き方改革が求められている自動車整備業界にあり、保険募集の管理から、苦情処理、教育の進捗などの監督で、業務負担が増える可能性は確実で、本業にしわ寄せが生じる可能性は高い。

 それでも全国トップクラスの挙績を誇る整備事業者ではなんとか人材を融通して対応する動きが進んでいる。ただし、「今後実際、管理責任者が求められるレベルの運用を続けていけるかは不安だ」との声があがっているのも事実だ。

 多くの従業員を抱える整備事業者でも管理責任者の手当てに難航する中、果たして人手に余裕のない少数の保険募集人で運営するモーター代理店がこの体制を構築できるかは極めて不透明であり、難しいと言える。しかしながら、保険業務の統括管理の体制は事業者の規模感にかかわらず重要だ。

 その場合、担当者だけの閉じられた体制と体質ではなく、今求められているのは属人化しないオープンな体制であり、社内のシステムとしてしっかりと機能する体制と仕組みづくりである。

保険募集の現場と保険請求にかかわる整備の分離

 体制構築の面では代理店の教育体制も問われている。

 現在多くの損害保険会社がコンプライアンス研修などの教育を動画教材で提供しており、各代理店の保険募集人はそれに応じて動画を視聴する。ところが、動画を視聴する時間を確保できない募集人が出ている事業者も少なくない。とりわけ、整備士に募集人資格を取得させているケースで、そうしたケースが多く発生しており、整備作業の業務、そして保険募集の両面に支障をきたしている事業者もあるという。こうしたことから、ディーラーなどでは募集人の整理を行い対応するところもあるようだ。

 損害保険会社が実践するeラーニングは各社の募集人IDで管理・記録が行われるが、代理店が独自で行う社内教育は大きな手間である。こうした教育面をアウトソーシングでカバーするモーター代理店もある。自動車保険獲得コンサルタントとして活躍する、ミスター保険こと高島健太氏にも多くの相談が寄せられるという。

自動車保険獲得コンサルタントとして唯一無二の存在、ありがとうミスター保険 高島健太氏
自動車保険獲得コンサルタントとして唯一無二の存在、ありがとうミスター保険 高島健太氏

 「これまで頑張って保険を獲得してきたモーター代理店さんは、これからが正念場。アナログとデジタルが混在して募集の現場は疲弊している。出来うる限りサポートしたい」と語る。なお、高島氏は改正保険業法に準拠した自習タイプのオンラインシステムを開発し展開をスタートさせた。視聴履歴や習得度の証跡を残せる点が大きなポイントである。

 自社で確立できない代理店としてのガバナンスをアウトソーシングでDXすることもひとつの手段である。

求められる教育部門のDX

 人手不足の自動車整備業界にあり、保険業法改正はモーター代理店の大きな課題として立ちはだかりつつある。それはコンプライアンス違反を犯した事業者の代償を払わされた訳だが、自動車保険については長年曖昧な体制で提供してきた自動車業界の慣習が生んだものでもある。

 今回の改正保険業法は顧客本位の商品提供が最大の目的であり、その体制構築のシステムが自社の条件に合致しないのであれば、その身の丈に合った手数料体系への移行もやむなしと言わざるを得ないのも確かだ。地域のトータルカーサービスを志向してきたモーター代理店だが、カーライフにかかわるあらゆるサービスを顧客本位に改革できるかが、今問われている。