日本自動車整備振興会連合会(喜谷辰夫会長)はこのほど、「自動車整備白書」の令和7年度版(2025年度版)を発行した。
同書は2025年6月末時点における自動車特定整備事業者を対象として調査した結果をまとめたもの。そのため、売上高などは同年6月末時点に最も近い決算期分の数値を基にしており、実質的には2024年度の実績となる。
同書が提示した作業内容及び業態別の売上高や整備要員の平均年齢及び平均年収などについて紹介する。
整備事業場数は4年ぶりに減少
整備事業場数においては、全事業場数の合計が92,251事業場(対前年度比133事業場・0.14%減)で4年ぶりに減少。業態別では、専業が25事業場(0.04%)増、兼業が156事業場(0.98%)減、ディーラーが11事業場(0.07%)増、自家が13事業場(0.37%)減だった。ディーラーは国産車では販売網の再編になどによって減少傾向が継続しているが、一部の輸入EVメーカーの販売ネットワーク拡充などにより、全体では増加した。一方、指定工場数は前年より122事業場(0.4%)減の29,810事業場で、3年連続の減少となった。
整備売上高は過去最高となる6兆6,592億円
総整備売上高(グラフ2)は前年度から4,031億円(6.4%)増加し、過去最高となる6兆6,592億円を記録した。
作業内容別では、2年車検整備が1兆9,645億円(前年度比5.7%増)、1年車検整備が7,392億円(同8.4%増)、定期点検整備が4,928億円(同7.9%増)、事故整備が1兆2,253億円(9.4%増)、その他整備が2兆2,374億円(同4.6%増)。業態別では専業が2兆5,488億円(同13.4%増)、兼業が7,746億円(同0.4%増)、ディーラーが3兆493億円(同2.5%増)、自家が2,865億円(同9.4%増)となり、全作業内容及び全業態で前年を上回った。
人件費の増加分を転嫁するための工賃アップや部品材料費の上昇、車両の平均使用年数の長期化などが各種整備売上高の増加につながったと見られる。
整備要員数は微増も、人材不足はいまだ深刻
整備関係従業員数は前年度比2,811人(0.5%)増加し565,680人、整備要員数は同342人(0.1%)増加し402,367人、整備士数は同428人(0.1%)増加し333,475人となり、いずれも前年より増加した。しかし、令和6年度における認証工場の廃業理由では、「工員不足」が9.6%、「後継者難」が14.6%となっており、整備現場における工員不足はいまだに解消されていない。
整備要員の平均年齢は、全体平均(自家を除く)で47.7歳(前年比0.3歳増)だった。業態別では専業が53.0歳(同0.2歳増)、兼業が49.0歳(同0.2歳増)、ディーラーが37.9歳(同0.6歳増)といずれも上昇していた。
また、整備要員の平均年収は、全体平均(自家を除く)で442万89百円(前年比4.0%増)。業態別では専業が395万72百円(同3.7%増)、兼業が420万38百円(同2.2%増)、ディーラーが535万12百円(同5.0%増)といずれも増加していた。
国土交通省は、自動車整備技術の高度化検討会において自動車整備の高度化に対応する人材確保に係る検討WGを設置し、2023年3月には募集、定着、育成の3つの観点から整備人材確保の方向性を示した中間とりまとめを公表。また、2026年3月に開催された第32回自動車整備技術の高度化検討会では、人材確保に向けて「自動車整備業のイメージアップ」、「整備士の認知向上・体験する機会の提供」、「整備士の処遇改善」に取り組むとともに、外国人材の受け入れ環境の整備を目的として、外国人材と受け入れ事業者双方の不安払拭に取り組みを推進していく方向性が示された。
自動車整備業界において、人材不足は依然として大きな課題である。整備事業者には、社員の待遇改善に向けた経営体制の強化や原価上昇を受けた価格転嫁の推進とともに、設備投資やDXなどによる生産性向上に向けた取り組みが強く求められている。