国際物流の「多元化・強靭化」へ 国交省が中央回廊カスピ海ルートの実証輸送を追加公募、石油関連製品の目詰まり解消なるか?

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八木 正純
国際物流の「多元化・強靭化」へ 国交省が中央回廊カスピ海ルートの実証輸送を追加公募、石油関連製品の目詰まり解消なるか?

国土交通省は5月19日、「中央回廊カスピ海ルートに関する実証輸送(春夏)」の参加事業者を追加公募すると発表した。公募期間は2026年6月12日(金)まで。

国際情勢の悪化による国際的なサプライチェーンの混乱が続く中、国際物流の多元化・強靭化を目的として、春から夏にかけての中央回廊カスピ海ルートを活用した実証輸送を実施するもの。

同省は2026年3月11日から4月21日まで参加事業者を公募していたが、今回はその追加公募として実施される。既存の成果をさらに発展・進化させることを目的としており、継続的・集約的な国際物流ルートの活用を目指している。

今回の実証輸送は、従来の海上・航空輸送ルートに代わるBCP(事業継続計画)上の代替的な輸送オプションとしての利用可能性を検証することを主眼としている。

対象となるのは日系荷主企業および日系物流事業者等で、実施条件として、日本を発地または着地とし、中央回廊カスピ海ルートを経由すること、そして2026年3月から6月ごろ(応相談)に輸送を開始することが求められる。

実証輸送の参加事業者は国土交通省が総合的に審査の上、選定する。審査では、関係者間で貨種・貨物量や輸送ルート等の調整ができているかといった「実証輸送の実現可能性」と、他の日系荷主企業・物流事業者等への展開可能性といった「輸送手段・ルートの汎用性」が主な評価項目となる。

検証事項は輸送コスト、リードタイム、輸送品質、輸送の際の手続き、トレーサビリティ等とされていいる。実証輸送の進捗及び結果は、各参加事業者へのアンケートやヒアリングなどを通じて報告を受け、最終的には報告会等の形で公表される予定。

なお、今回の実証輸送の実施にあたっては、一輸送につき原則として150万円が調査協力に係る費用として支出される。ただし、応募件数が多い場合は支給金額の調整が行われる。本実証輸送は、令和7年度補正予算による「国際物流の多元化・強靱化に向けた実証調査及び官民コンソーシアムの運営」の一環として実施される予定。

中央回廊カスピ海ルートをめぐっては、前回の実証輸送(令和6年)において、11月末から12月上旬に日本を出発した4件がカスピ海のアクタウ港で強風のために22日から41日間にわたって貨物が滞留したという事例が確認されている。今回、「春から夏にかけて」の季節を対象に実証輸送を実施することで、前回の課題を踏まえたより広範なデータの収集と分析が期待される。

応募は「応募様式」に必要事項を記載の上、メールでの提出となる。

開始予定時期が遅くとも6月ごろという点には、直近の石油関連製品の目詰まり解消への期待が持てる一方、追加募集に及んだ点には期待したほどの件数が寄せられていない可能性も考えられるため、事の推移を冷静に見極める必要がある。

  • 公募期間: 2026年5月19日(火)〜 2026年6月12日(金)
  • 対象事業者: 日系荷主企業、日系物流事業者等
  • 輸送開始時期: 2026年3月〜6月頃(応相談)
  • ルート条件: 日本を発地または着地とし、中央回廊カスピ海ルートを経由すること
  • 支援内容: 一輸送につき原則150万円(調査協力費)
  • 応募方法: 応募様式をメールにて提出(hqt-intl-logistics@ki.mlit.go.jp)
  • 問い合わせ先: 国土交通省 物流・自動車局 物流政策課 国際物流室(代表:03-5253-8111)