極東開発工業(布原達也社長、本社=大阪府大阪市)は同社グループの研究開発を担う新たな拠点として、愛知県豊田市に建設を進めてきた「極東開発グループ テクニカルセンター」(以下、テクニカルセンターと表記)が2026年8月に竣工・稼働を開始したことに合わせ、8月20日(木)、竣工記念式典を開催するとともに、関係者と報道陣に施設と設備を公開した。
物流業界は、ドライバー不足や労働時間規制に伴う輸送力の低下、燃料・原材料価格の上昇、脱炭素化への対応など、数々の社会課題に直面する中、同グループでは車両や製品の試作から、部品単位の試験、車両全体の耐久評価、実車走行の確認までを一貫して行えるテクニカルセンターを通じてトラックやトレーラーの開発スピードの迅速化と精度・品質向上を図っていく。
革新的な製品開発で世界をリードする特装車・トレーラーメーカーへ
竣工記念式典は8月20日(木)の13時より開催され、愛知県や豊田市といった行政をはじめ、自動車メーカーや関連団体など多数の関係者が参列した。
挨拶に立った極東開発工業の布原達也代表取締役社長は「テクニカルセンターを最大限に活用することで、社会に役立つ革新的な製品の開発を通して未来社会に貢献し、世界をリードする特装車、トレーラーメーカーに成長していきたい」と抱負を述べた。

また、来賓として登壇した愛知県経済産業局の川出仁史局長は「自動車産業が集積する、この豊田市に開設された最先端の拠点が、日本の産業と暮らしを支える技術革新の中核になることをおおいに期待している」と挨拶した。

その後、関係者らによるテープカットが執り行われた。

トレーラーの認証取得を可能とする600mテストコース
テクニカルセンターは同社グループの主要拠点の中間に位置する豊田市に約17万4,200㎡というふんだんな敷地面積を利用し建設された。全幅50m×全長600mのテストコースを中心に、3つの試験棟と試作・検査に対応する工場棟、技術者が集う事務所棟で構成されている。

テストコースはmm単位の平坦度で施工した多層構造を施し、中心部に100mの特殊試験路を設置。車両の走行試験や制動試験の他、トレーラーの認証取得などの活用が可能となっている。特殊試験路はベルギーなどのヨーロッパの古い市街地に見られる石畳を再現した「ベルジアン路」、走行時に変化する左右の位相を再現した「長波形路」、任意に突起量を設定できる「可変突起路」の3種類の路面で実車の評価を行う。
なお、600mのテストコースは認証取得に関わる90%(頻度に対して)のテストを実施することが可能である。

国内初のロードシミュレーターをはじめとする各種試験機を導入
試験棟はA、B、Cの3つの施設で構成され、各種試験機を設備した。

試験棟Aは車両の使用で想定される腐食、温度、湿度などの環境条件を再現する各種設備に加え、油圧製品の性能・耐久性の評価を行う。また試験棟Bは車両走行による振動を再現する大小3台の振動試験機を備えた。最大で荷重1,000kgの大型製品の振動が可能となっており、製品の耐久性評価を行う。

試験棟Cには、トレーラーの振動評価を実車状態で実施できるロードシミュレーターの国内初導入が計画されている。車輪間隔と軸間距離を車両に合わせて調整できる3軸対応の加振台と、トレーラーの連結部を支持・加振する第5輪加振機を備え、中型トラックからトレーラーまで、幅広い車種・車両寸法に対応する。このロードシミュレーターは、2027年4月の稼働開始が予定されている。


時代と共に変わる設計思想を捉えて市場ニーズに応える
事務所棟1階のエントランスホールには、同社の創立70周年記念事業としてレストアされた1964年製の3輪ダンプトラックを展示した。同社の創業当時の設計思想を今に伝える貴重なレガシーである。

同社の千々岩伸佐久技術本部長は、「多くの補強材を用いて、重く頑丈に造られた剛性の高い3輪ダンプトラックの荷箱としなやかに荷重を受け止め、軽くて柔軟な構造を持つEVダンプの荷箱」は市場と需要の変化により、「設計の考え方が違う」と説明し、「優れた特性を持つ材料や進化した加工技術、これらを活用した設計で軽量化と強度の強化という相反する技術を両立することは可能」と語る。

極東開発工業グループでは、テクニカルセンターの開設により、各拠点で培ってきた技術や知見、研究開発に携わる人材、試作・試験・評価設備を集約することで、持続可能な社会を実現する“はたらくクルマ”の製品開発を加速させていく構えである。

