2026年8月、千葉県を襲った豪雨災害では、多数の車両が浸水・水没する被害が発生した。
※直近では台風25号による被害にも見舞われた。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復旧・復興を願ってやみません。
国土交通省関東運輸局は8月17日から、車積載車(自家用)による有償運送について、水没車等を撤去する場合に限り、例外的に(関東他県での許可を得た車両でも)千葉県内での使用を認める運用を行った(→2026年9月9日発表 千葉豪雨による被災状況等について第15報)。
この一事が示すように、災害時には平時の規制が例外的に解除される可能性が広がったことになる。整備工場にとって「事故車等の排除業務に係る有償運送許可」を取得しておくことは、もはや自社顧客対応だけを見据えた備えではない。
有償運送許可とは何か
「事故車等の排除業務に係る有償運送許可」は、国土交通省が定める制度で、道路上の事故車両や故障車を有償で積載搬送するために必要な許可だ(国土交通省:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk4_000018.html)。
許可を受けた整備工場は、自社の「自家用ナンバーの」車積載車を使って、報酬を得ながら「道路上の」事故車両等の排除・搬送業務を行うことができる。原則、許可の効力が及ぶ範囲は許可を受けた都道府県内に限られる。
災害時には「制限の例外的解除」が起こりうる
今回の千葉豪雨がその実例となった。関東運輸局は、自家用の車積載車であっても、水没車等の撤去という緊急の必要性が生じた場合に、千葉県内での有償運送を認めた。すなわち、千葉以外の埼玉県や東京都といった関東の他県で許可を受けた車両でも活動できることを例外的に許可した形になる。
こうした例外的運用は、今後も大規模な地震や豪雨が発生するたびに繰り返される可能性がある。このところ各地で頻発する自然災害の状況を踏まえれば、「いざというときに動ける体制」を整えておくことの意味は大きい。
ただし、例外的解除の恩恵を受けるには、そもそも有償運送許可を取得していることが前提となる。許可のない工場が急に動こうとしても、制度的な後ろ盾がなければ対応できないのだ。
許可取得のメリットは「平時+災害時」の両輪
有償運送許可の活用場面を整理すると、次の2つの軸がある。
- 平時——自社顧客が事故を起こした際に、迅速に積載搬送を行い、顧客満足度と収益性を高める。
- 災害時——豪雨・地震などの大規模災害が発生した際、行政や自治体からの協力要請に応じ、被災車両の移動・一時保管等の支援活動に参加できる。
今回の千葉豪雨では、日本自動車整備振興会連合会(日整連)が千葉県及び近隣都県の整備振興会に対し、(レッカー車・)車載車の出動、一時保管のための場所の提供、車両の修理可能性の判断などの対応を通知している。整備工場が組織的に動くための基盤は、すでに整いつつある。
「社会貢献」という視点
被災した車両のオーナーにとって、水没した愛車をいち早く安全な場所に移してもらえることは、精神的にも大きな救いとなる。整備工場が災害時に機動的に動けるということは、単なるビジネス機会の拡大にとどまらない。被災者からの感謝、地域社会からの信頼、そして整備業界全体の存在感を高めることに直結する。
有償運送許可の取得を、今一度、前向きに検討してみてほしい。
大阪市中央区に拠点を置くプロトリオスは、この有償運送許可取得のための研修を実施する団体の1つ。ボデーリペア技術研修所(BSRweb)を通じて自動車アフターマーケットに関する各種研修を手がけており、有償運送許可講習についても定期的に開催している。
今後の開催予定は以下の通り。
- 2026年11月4日(水) 13:00〜
- 2026年12月9日(水) 13:00〜
- 2027年1月8日(金) 13:00〜
開催場所はアーバンエース北浜ビル14F(〒541-0046 大阪市中央区平野町2-3-7)。申し込み及び最新の日程確認は、下記URLより確認できる。
(問い合わせ先)
プロトリオス ボデーリペア技術研修所 事務局
〒541-0046 大阪市中央区平野町2-3-7
TEL:06-6227-5732 FAX:06-6227-5606
https://bsrweb.jp/products/training/information.html