OBD検査100万台突破、不適合あり率は2.7% 第7回モニタリング会合の全議題を解説

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武井 宏樹
OBD検査100万台突破、不適合あり率は2.7% 第7回モニタリング会合の全議題を解説

第7回OBD検査モニタリング会合、開催

国土交通省及び自動車技術総合機構(以下、機構)が事務局を務める第7回OBD検査モニタリング会合が、6月24日にAP新橋(東京都港区)で開催された。

同会合は2024年10月よりOBD検査が開始されたことを受け、同検査の運用状況を確認するとともに、必要な見直しなどを検討・実施することを目的として設置されたもの。会議は現地・Web出席が可能なハイブリッド形式で行われ、各議題について話し合われた。

また、令和8年度スキャンツール補助金についても予告があり、8月に実施予定で調整していると発表された(後述ほか、リンク先に6月24日時点での調整中内容を記載)。

議事1  第6回会合等における宿題事項

宿題事項の以下3点について発表があった。1点目に、電子保安基準適合証との連携について。

現状ではOBD検査システムが他のシステムと連携していないため、OBD検査が未実施のまま保安基準適合証が交付できてしまうという課題があった。対応としては、OBD検査システムと自動車技術総合機構が保有するシステムとを連携させ、保安基準適合証の交付前にアラートを表示する仕組みの開発が進められている。具体的な運用内容と整備事業者への対応については次回会合で報告予定だ。

2点目は、検査用スキャンツールの認定取消事例への対応策定について。

検査用スキャンツールが認定を外れた場合について、DTC照会アプリの非認定メッセージ送出に現状、3週間程度要している。指定工場がこれに気づかずに検査してしまう可能性もあるため、メールなどを用いたリアルタイムに近い形での周知が求められた。また、周知前に使用した場合に行政処分の対象としないことや、買い替え対応などのため一定期間特例措置を設けてほしいなどの意見が上がった。

本件について事務局側は、認定が取り消された際の周知フローがまだ整理されていないため、まずその流れを確立した上で、特例措置や行政処分の取り扱いについて議論を進めると示し、次回以降に改めて状況を報告するとした。

3点目は、後付け装置の取り扱いについて。

OBD検査の際には当該装置を取り外すことが基本方針であり、車検後に再取り付けが可能かどうかについては、保安基準に不適合となるような装置の取り付けはそもそも禁止されているものの、保安基準の適合性を一概に判断できないと述べられ、OBD検査に支障を来す後付け装置が保安基準に適合するかどうかは、装置の製作者が判断する必要があるとの見解が示された。

議事2  OBD検査の運用状況

OBD検査対象の型式は4月末時点で1,517型式、対象台数は5月末時点で約690万台*¹に達しており、引き続き増加している。OBD検査の実績件数はついに100万台を突破し、約115万台*²となった。実績の約9割は指定工場で実施されており、不適合あり率については指定工場=2.7%、機構=4.7%、軽自動車検査協会=2.7%と、検査実施主体の間で特段の差は見られなかった。

なお「不適合あり」とは車両が故障しているということではなく、OBD検査において1回以上不適合の判定があったものをカウントした数値である点に留意が必要である。2026年4月〜5月の不適合あり率は1.8%であり、前期(1〜3月)の1.9%と比較して大きな変化はなかった。

主な不適合要因としては、「レディネスコードなし」と「通信不成率」が引き続き検出されており、安全系では制動装置関係や通信異常・途絶が確認されているが、対象台数に占める割合は減少傾向にある。昨年10月より開始となった輸入車のOBD検査の運用状況についても、不適合あり率に有為な差は見られなかった(参考:累計実施台数 4.3千台)。

また、OBD検査が省略された台数の割合は引き続き6〜7%程度で推移しており、認証工場でのOBD確認の普及が今後の課題として改めて確認された。

*¹内訳=登録自動車:4,732,842台、軽自動車:2,162,796台
*²OBD検査実績=1,147,513台(2024年10月1日~2026年5月31日)

議事3  報告されている課題について

OBD検査実施後にエラーコードが表示されたケースについては、検査結果が「適合」と表示された時点でサーバーへの登録は完了しており、検査自体には問題がないと説明された。検査用スキャンツールの認定確認に関しては、認定情報の反映に約2週間を要することへの対応方針を技術連絡会で検討するとした。

また、OBD点検とOBD検査が別物であるにもかかわらず混同されているケースが、カーオーナーの問い合わせ窓口で確認された。「OBD非搭載車であるにも関わらず、“OBD検査”が項目が計上されていた」という内容で、同様の問い合わせがカーメーカー側にもあったことが伝えられた。

OBD点検はOBD搭載車すべてを対象とした法定点検の一項目であり、OBD検査は2021年以降に新しく型式指定を受けた車を対象とする車検の検査項目である。整備工場のみならずカーメーカーの窓口においても適切な説明を行うよう求められた。

さらに、OBD検査システムの認証方式については、現在のクライアント証明書方式から、2027年2月にメール認証方式(ID/パスワード+認証コード入力)へ完全移行することが機構より説明された。本年8月のシステムリリースから並行期間として試用が可能となる。

移行に向けて、OBD検査システムを利用するすべての利用者のメールアドレスを利用者管理システムへ事前に登録しておくことが求められた。

メール認証について社内の共有メールアドレスを利用できないかという事業者からの声もあったが、信頼性の観点から改めて作業者個人のメールアドレスを用意することを呼び掛けるとともに、「各種行政サービスの電子化移行が進む中、今後作業中に個々人のメールアドレス認証機会が必要が増えていくことが予想される。この並行期間が順応のきっかけになれば」と提言された。

議事4 令和8年度スキャンツール補助金の調整状況

議題4では、スキャンツール補助金の令和8年度の実施内容を調整していることが発表された。
会合時点では、補助上限額は1事業場当たり昨年度の15万円から30万円に引き上げられ、補助率は原則3分の1以内。ただし整備機能を持たないOBD検査専用スキャンツールについては4分の1以内となること、パソコン単体の補助は今年度は実施しない方針で調整中であることが示された。

申請期間は本年8月頃の開始を予定しており、先着順での受け付けとなる。5月29日より申請受け付けを開始した、2025年度補正予算分の補助金は応募が殺到し開始当日の午前中に終了しており、今回の対応にあたってはその点を踏まえた改善が求められた。

議事5  認証工場へのOBD確認の周知強化

現在、OBD検査の省略割合が6〜7%程度にとどまっている背景には、認証工場へのOBD確認に関する周知が十分でない可能性が挙げられた。

対応策として、新規認証取得の申請者向けチラシの配布と、OBD検査ポータルへの認証工場向け専用ページの設置が提案された。

事前にOBD確認を行うことは、検査コースに持ち込んだ後に不適合となる手戻りを防ぎ業務効率化につながるという点が主なメリットである。会合の中では、実際に検査コースでOBD検査を行い不適合となった工場に対して検査コース出口でチラシを配布するほうが効果的ではないかとの意見も出され、チラシは既存の認証工場にも使えるデザインとする方向で調整することとなった。

議事6  中長期的課題と今後の開催方針

前回会合から変更があった個所は、OBD確認の実施率向上よりも、まずOBD確認そのものの認証工場に対する周知と導入促進を優先する方針への記述修正のみにとどまった。

今後の会合について

今後の会合開催頻度については、報告される課題が減少してきていることを踏まえ、次回(10月ごろを予定)をもって年1回程度の開催に移行することが示された。OBD検査の運用状況については引き続きOBD検査ポータルにて四半期ごとに公表し、初回掲載は7月ごろ(2026年度第1四半期分)を予定している。