国土交通省は2026年6月26日、スイス・ジュネーブで開催された「自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)」において、レベル3・4を含む自動運転システムに関する国際基準が合意されたと発表した。
日本が共同議長として議論をリードし、世界で初めて策定された基準である。2027年1月頃の発効が見込まれており、国内カーメーカーによる安全な自動運転車の効率的な開発が期待される。
レベル4対応の国際基準、今回初めて策定
WP.29は、自動車の安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場であり、日本は1977年から継続的に参加している。
2020年には高速道路などを対象としたレベル3の国際基準が合意されていた。しかし、一般道を含むより多くの道路環境や、レベル4以上の高度な自動運転車を対象とする基準はこれまで存在しなかった。
今回、日本が米国・欧州などとともにWP.29傘下の専門家会議の共同議長を務めて議論を主導し、新たな国際基準として合意に至った。
基準の対象と3つの要件
今回合意された国際基準の対象は、レベル3・4を含む自動運転システムを備えた自動車である。
基準には次の3つの要件が定められている。
①車両の安全性
交通ルールの遵守や衝突回避、不具合発生時の安全な停止など、交通状況に応じた挙動が求められる。乗員への情報提供・誤操作防止、作動状態の記録、サイバーセキュリティーの確保も含まれる。
②組織体制
製造事業者は安全管理システム(SMS)を構築し、自動運転車の安全を確保するための組織体制とプロセスを明確化しなければならない。また、安全性を「主張・論証・証拠」に沿って構造的に整理した「セーフティケース」の策定も義務付けられている。シミュレーション環境・試験路・実交通環境の整備も要件に含まれる。
③モニタリング・不具合の改善
市場投入後も自動運転車の作動状態を継続的にモニタリングし、安全リスクを早期に特定・改善することが求められる。事故や不具合等の事案が生じた場合は、適時に関係国当局へ報告しなければならない。
「有能で注意深い人間のドライバーと同等以上」が前提
今回の基準において、日本が提唱した「有能で注意深い人間のドライバーと同等以上の安全性」の確保が大前提とされている。
製造事業者は、市場投入前に当局へ①車両の安全性と②組織体制の説明を行い、安全要件への適合性の確認を受ける必要がある。市場投入後も③モニタリング・不具合の改善を継続することが求められる仕組みとなっている。
発効時期は2027年1月頃の予定。