ダンロップの新スタッドレスタイヤ「ICE Pro(アイスプロ)」を発表! 氷上に特化し、従来品比で氷上ブレーキ性能を25%向上

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古瀬 敏之
ダンロップの新スタッドレスタイヤ「ICE Pro(アイスプロ)」を発表! 氷上に特化し、従来品比で氷上ブレーキ性能を25%向上

 住友ゴム工業は2026年7月1日、都内で新商品発表会を開催し、ダンロップブランドのスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX(ウィンターマックス)」シリーズの新商品として、氷上性能に特化した「ICE Pro(アイスプロ)」を発表した。同商品は2026年8月より順次発売される。発表会では、同社の役員らが登壇し、ブランド戦略から新商品のマーケティング、技術詳細について説明が行われた。

氷上に振り切ったスタッドレス、それがアイスプロ

 住友ゴム工業の国内リプレイス営業本部長の牧野明人氏がマーケティング戦略について説明。ウィンターマックスシリーズはこれまで、氷雪性能を中心に各性能をバランス良く向上させてきた。これは、降雪の少ないエリアでも一定の需要があり、冬道以外の路面にも対応する必要があったためだ。しかし、2024年に発売された次世代オールシーズンタイヤ「SYNCHROWETHER(シンクロウェザー)」の登場が転機となった。

 シンクロウェザーが、タイヤ交換の手間を省きつつ急な天候変化にも対応するという「利便性」の価値を提供できるようになったことで、ウィンターマックスは降雪エリアのユーザーが求める「最高の安心」を追求する役割に専念できるようになった。

 ターゲットユーザーは、北海道のように日常的に氷雪路を走行し、「家族を安心して乗せたい」という思いが強い層を想定。過酷な凍結路面でも心にゆとりを持てるという体験価値を提供する。プロモーションには大谷翔平選手を起用し、「極めつづけたものだけが、プロになれる。」というキャッチコピーで、その専門性を訴求していく。

いかに路面との密着状態を持続させるか

 同社技術本部長の田中進氏は、アイスプロに採用された技術詳細を解説した。開発のキーコンセプトは「いかに路面との密着状態を持続させるか」。その中核をなすのが、新規開発の「ふんばり吸水ゴム」である。このゴムは、まずミクロな気泡で滑りの原因となる水膜を吸水し、次に柔らかいゴムが路面の凹凸に密着。そして最後に、低温環境でもしなやかに変形し、路面からの力を吸収・減衰させる「低温ふんばり剤」の効果でゴムが「ふんばる」ことにより、密着状態を持続させる。

 この新技術により、アイスプロは従来品の「ウィンターマックス03」と比較して、氷上ブレーキ性能を25%、氷上旋回性能を9%向上させるという飛躍的な進化を遂げた。さらに、経年劣化による性能低下を抑制するため、ゴムの柔らかさを保つ液状ゴム「潤いポリマー」を従来品から増量して採用。これにより、4年経過後も高い氷上性能を持続する設計となっている。

ライフ性能は犠牲にするも、4年以上の使用を想定

 質疑応答では、性能のトレードオフに関する質問が寄せられた。田中氏は、氷上性能を特化させるにあたり「性能を若干妥協したところに関しては摩耗性能だけ」と明言。ドライやウェット性能は犠牲にしていないとした。摩耗性能については、従来のウィンターマックスシリーズよりは若干劣るものの、「少なくとも4年以上は十分に対応できる摩耗性を有している」と説明した。

 また、販売戦略については、全国で販売されること、そして性能バランスに優れた「ウィンターマックス03」も併売されることが明らかにされた。これにより、ユーザーはそれぞれの使用環境やニーズに応じて、最適なスタッドレスタイヤを選択できるようになる。

 オールシーズンタイヤという新たな選択肢の登場により、スタッドレスタイヤはその本質的な役割である「冬の安全」を、より純粋に、より高次元で追求することが可能になった。ダンロップが放つ「氷上のプロフェッショナル」は、過酷な冬道を走るドライバーに、これまでにない安心と心のゆとりをもたらす挑戦的な一手となるだろう。