写真を撮るだけで作業記録を構造化、自動車整備向け記録AIクラウド「AITURBO」をルクレが提供開始

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ライター写真
木下 慶亮
写真を撮るだけで作業記録を構造化、自動車整備向け記録AIクラウド「AITURBO」をルクレが提供開始

 ルクレ(有馬弘進社長、本社=東京都港区)は、AIと写真打刻技術を活用した整備記録AIクラウド「AITURBO(アイターボ)」の提供を開始した。最大の特徴は、職人が専用アプリで写真を撮るだけで作業時刻や工程進捗だけでなく、担当者と案件情報を紐づけたデータへ自動変換される点にある。

サービス概要

 AITURBOは、スマートフォンによる写真記録を起点に、修理写真、案件、工程の管理を一体化した自動車整備向けのAIクラウドサービス。技術者は専用アプリ「AITURBOカメラ」で作業の開始・完了時に写真を撮影するだけ。管理者はPCやタブレットから一工程だけでなく、工場全体の状況をリアルタイムに把握できる。なお、ルクレは建設業界の品質証明・写真管理で培ったノウハウを持ち、その知見を自動車整備領域(鈑金塗装を含む)へ応用した形になる。

開発の背景

 自動車整備市場では、他業種と同様に労働力不足に伴う人材確保や賃上げ原資の確保が最重要となっている。一方で、国土交通省は自動車整備業について「労務費の転嫁率が低い受注者の割合がワースト1位」と公表しており、適切な価格転嫁が進みにくい構造的な課題が存在する。

 適正な工賃請求や、国交省の発表した「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」への対応には、作業工程や実作業時間の明確な証跡が不可欠である。しかし現場では、依然としてアナログな運用が中心であり、月の入庫台数が50台規模の工場では‟写真の仕分け、手書き日報や口頭共有”といった作業に伴う管理コストが月23.3時間にのぼるケースもあるという(ルクレ調べ)。

主な特徴

写真を撮るだけで構造化データへ変換

 特許出願中(特願2026-97959)の「写真打刻」技術と独自AI「RecAI」が連動し、撮影した写真から構造化したデータをリアルタイムに自動生成する。現場のITリテラシーに依存しない、現場の負荷を減らした運用設計となっている。

改ざん不能な証跡により価格転嫁へ

 専用アプリを介して撮影されることで、データを書き換えるなどはできずクラウド上でエビデンス化される。汎用のカメラ画像や手書き日報と異なり、実作業時間の跡として協定の際に保険会社や、実費修理ではカーオーナーへ提示できる請求根拠となりうる。

管理業務をリアルタイムで可視化

 工場長やフロント担当者は、現場に足を運ぶことなくPCやタブレットから全案件の進捗や職人の稼働状況を把握できる。またデータとして残すことで、自社の稼働率などの分析資料としても貢献する。

今後のアップデートや拡張計画

 ルクレはAITURBOを単なる管理ツールではなく、自動車アフターマーケット全体の生産性を最大化する「産業データプラットフォーム」として位置付ける。今後の展開として、以下の3点が示されている。

  • 暗黙知の知識資産化:蓄積データをRecAIが追加学習し、工程判断や人員配置、納期予測の自動最適化を推進
  • 外部システムとのAPI連携:鈑金塗装業界で標準利用されている見積りソフト等と連携し、修理見積りや作業実績、原価・納期を統合分析できる経営ダッシュボードを構築
  • 一般整備領域への拡張:鈑金塗装から車検・一般整備など、自動車整備全体への展開を計画