国交省がパワーウインドによる幼児の挟み込み事故を注意喚起 この3年で2件の重篤事例を確認

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長谷川 明憲
国交省がパワーウインドによる幼児の挟み込み事故を注意喚起 この3年で2件の重篤事例を確認

国土交通省 物流・自動車局 審査・リコール課は7月7日、パワーウインドの挟み込みによる事故防止に関する注意喚起を公表した。同年7月1日に独立行政法人国民生活センターが公表した調査・テスト結果を受けた対応で、自動車ユーザーに対して安全な使用を呼びかけている。

幼児の首が挟まれる死亡・重篤事故が相次ぐ

国民生活センターの公表資料によると、この3年間(2023〜2024年)で幼児の首がパワーウインドに挟まれ窒息するなどの重篤な事故の報道が2件確認されている。

1件目は2024年の事例で、保護者が運転席のスイッチを操作した際、後方の確認を怠り、右後部座席にいた女児の首が窓ガラスに挟まれ、搬送から約1時間半後に死亡が確認された。2件目は2023年の事例で、夜間のドライブ中に後部座席の男児の首が右後ろの窓ガラスに挟まれ、意識不明の重体となった。いずれもチャイルドシートからの逸脱が関与していた可能性が指摘されている。

アンケート調査で浮かび上かった実態

国民生活センターは2026年3月、パワーウインドで挟まれた・挟まれそうになった経験を持つ全国の500人を対象にインターネットアンケート調査を実施した。

主な結果は次の通り。

  • 500人中42人が、同乗中の乳幼児がパワーウインドに挟まれた経験があると回答
  • 乳幼児の挟まれ事例の約5割が運転席からのスイッチ操作で発生
  • 約6割以上が状況の確認不足を事故原因と回答
  • 乳幼児の事故経験者の約半数でチャイルドシートが正しく使用されていなかった可能性

また、入院・通院を要した事故(23件)では、打撲8件、骨折7件のほか、切断・窒息も各1件確認された。事故の74%が後部座席で発生しており、入院を伴う4件はすべて後部座席での発生だった。

テストで判明した「挟み込み防止機能」の限界

同センターは代表的な7車種を対象に、パワーウインドが閉まる際に発生する力や開閉時間などを測定した。

全席に挟み込み防止機能(自動反転機能)が装備されていたのは7銘柄中2銘柄のみ。残る5銘柄は運転席のみへの装備にとどまっていた。

挟み込み防止機能がない、またはスイッチを引き続けることで機能が作動しない状態では、閉まる力は173〜375N(約16.7〜38.3kgf)に達した。軽自動車であっても300Nを超える車種が確認されており、車両や窓の大きさに比例しない点が明らかになった。過去の調査では閉まる力が294N(約30kgf)程度の場合、片腕で静止できた女性は約30%にとどまっていたことも示されている。

また、全開状態から全閉までの時間は概ね2〜3秒であり、わずかな時間で大きな力が加わる危険性が確認された。

挟み込み防止機能が装備されていても、スイッチを手動で引き続けると機能が作動せず、窓ガラスが閉まる銘柄があった。さらに全席装備の2銘柄でも、連続操作では2度目に機能が作動しない場合があることが判明した。

国交省・国民生活センターが示す4つの対策

国土交通省及び国民生活センターは、自動車ユーザーに対して次の点を徹底するよう求めている。

  • 乳幼児を同乗させる際は対象年齢・体格に適合したチャイルドシートを選び、ベルトを確実に装着する
  • パワーウインドの危険性や操作方法、挟み込み防止機能の有無について取扱説明書で確認する
  • 子どもが乗車する際はロック機能を使用し、子どもによる誤操作・いたずらを防ぐ
  • 操作前に自動車を停止させるなど安全な状態で周囲を確認し、乗車者に声をかけてから操作する

なお、国民生活センターは業界に対し、スイッチを引き続けた場合でも挟み込み防止機能が確実に作動するよう改善を求めるとともに、挟み込みを操作者が速やかに認識できる安全機能の開発を要望している。

国民生活センター:パワーウインドによる事故に注意!-窒息や切断、骨折など重篤なけがを負っています-