矢野経済研究所が発表した「車載ソフトウェア(自動車会社、自動車部品サプライヤー等)市場に関する調査(2026年)」によると、国内の車載ソフトウェア市場は急速な成長を続け、2030年には2兆円の大台に達する見通しである。同調査から読み取れる市場動向と今後の展望を要点でまとめる。

2025年の市場予測:IT系・SDVが急成長
2025年の国内車載ソフトウェア市場は、前年比11.4%増の8,766億円となる見込みである 。ソフトウェアの構成比は大きく変化しつつある。
- 制御系:56.2%
- 車載IT系およびSDV(合計):43.8%
従来からある車載IT系分野を、新たな概念である「SDV(Software Defined Vehicle)」ソリューションが包含していく過渡期にあり、2025年時点ではこの両者が概ね半々の割合を占める見込みだ。
「SDV」の台頭と「AI-DV」への進化
これまで車載ソフトウェアは、大きく「制御系」と「車載IT(情報)系」の2つに分類されてきた。しかし近年、市場の構造は次のように劇的な変化を遂げている。
- SDVの急速な普及
数年前まではコンセプトに過ぎなかったSDVだが、2023年頃からIT系半導体メーカーを中心に専用ソフトウェア群が相次いで市場投入され、急速に存在感を高めている。 - AI-DVの勃興
直近ではAIの活用が活発化しており、SDVからさらに一歩進んだ「AI-DV(AI Defined Vehicle)」への進化に向けた動きが始まりつつある 。
2030年展望:次世代技術が市場の5割を占める
今後の市場全体(制御系、車載IT系、SDV、AI-DVの合計)は、2028年に1.5兆円規模へと拡大し、2030年には2兆円に達すると予測されている 。
2030年時点での各分野の構成比は次の通り予測されている。
- 制御系:36.4%
- SDV:28.3%
- AI-DV:21.4%
- 車載IT系:13.9%
2030年には、次世代の核となる「SDV」と「AI-DV」の2分野だけで市場全体の約5割(49.7%)を占める見込みである。自動車業界におけるソフトウェアの重要性は、今後ますます高まっていくだろう。
(油業報知新聞社)
