東京商工リサーチが6月10日に発表した「第2回中東情勢に関するアンケート調査」(調査期間:6月1日~8日)によると、中東情勢が事業活動に「マイナスの影響」を与えていると回答した企業は、全体の80.6%に達した。前回調査(4月)から1.9ポイント上昇しており、原油やナフサといった化学製品の基礎原料の高騰、および品不足が企業活動に影を落としていることが浮き彫りとなった。

深刻化する「素材の高騰」と「調達難」
調査対象となった7,614社のうち、8割を超える6,142社が「マイナスの影響がある」と回答した。影響の度合いは「少しマイナス」が44.7%で最多となり、「大いにマイナス」(35.9%)がそれに続く結果となった。
企業活動へのマイナス要因として最も多かった回答は、「原油由来の素材・原材料の高騰によるコスト増」で73.3%を占めた。さらに注視すべきは、「原油由来の素材・原材料の調達難」が59.7%となり、前回調査から14.2ポイントも急上昇している点である。
規模別に見ると、大企業の方が深刻度を増している。大企業は中小企業を5.5ポイント上回っており、多様なサプライヤーと取引を行うグローバルな生産拠点が資材調達に苦戦している状況がうかがえる。これは、自動車部品メーカーの供給遅延などとして、最終的に整備工場の現場にも波及する可能性を示唆している。
ガソリン価格は落ち着くも、経営戦略の見直しが急務に
一方で、前回調査で64.8%だった「ガソリン価格の高騰」を懸念する声は、今回は41.3%に低下した。これは、政府によるガソリン価格の激変緩和措置が一定の歯止めとして機能しているためと見られている。
しかし、紛争による経営への影響を見据え、「すでに経営戦略を見直している」と回答した企業は24%にのぼり、前回から8.8ポイント上昇した。中東情勢の先行きは依然として不透明であり、事業計画の抜本的な見直しを迫られる企業は確実に増加している。
