「稼働最大化」へシフトする業界の現在地とジャパントラックショー2026 南元一会長インタビュー MSR2026年6月号特集②

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古瀬 敏之
「稼働最大化」へシフトする業界の現在地とジャパントラックショー2026 南元一会長インタビュー MSR2026年6月号特集②

 ジャパントラックショー2026の開催に際して、主催者である国際物流総合研究所の南元一会長に話を聞いた。

 今回のジャパントラックショーに込めた最大のテーマは、「持続可能な物流の未来」だ。 物流・運送業界は、2024年問題を境に大きな転換点を迎えた。働き方改革、ドライバー不足、環境負荷の低減など、避けて通れない課題が山積している。

 こうした現実を直視しながら、業界全体で未来の姿をどう描き、どう実現していくのか。その問いに向き合う場として、今回のテーマを設定した。

 2024年問題を乗り越えるために生まれた技術や取り組みは、2030年問題、そしてその先の未来にもつながっていく。このショーを通じて、来場者にはトラック・運送業界の最先端ソリューションをぜひ実物の商品を見ていただきながら、持続可能な物流の未来を感じていただければと思っている。

 今回、出展者数・小間数ともに前回を上回り、170社598小間と過去最大規模での開催となった。省力化・省人化、環境対応、安全性向上など、業界が抱える課題は多岐にわたるが、その一つひとつに対して技術革新が確実に進んでいる。 その成果を“ 実車、実製品で見てほしい”という思いが、今回の出展増につながったのだと思う。

 また、整備・メンテナンス系の出展は、 安全自動車、アルティア、バンザイ、イヤサカ、ダイフクプラスモアをはじめ、計19社が参加している。内容としては、

  • 電子制御車対応の診断機(OBD・AI診断)
  • 大型車用リフト・アライメント・タイヤチェンジャー
  • DPF洗浄・防錆塗料・業務用洗浄システム
  • 大型洗車機・外装メンテナンス設備
  • ト ルク管理ツール・油圧ホース加締機
  • 給油設備・EV 充電・水素ステーション機器

など、整備工場の省力化・安全性向上・電子制御化への対応が一気に分かるラインアップとなっている。

 自動運転やADAS の技術がどんどん進んでいるのは、本当に心強いことだと思っている。ただ、どれだけ技術が進んでも、やっぱり最後は“ 人”だと考える。ここが今の日本のトラック輸送における安全の一番の課題だと感じている。

 現場では、ドライバーの高齢化や人手不足が進んでおり、どうしても一人ひとりの負担が大きくなりがちだ。疲れがたまれば、どんなに優れた支援システムがあっても、ヒヤッとする場面はゼロにはできない。

 これからの安全対策は、“ 技術”と“ 人”がちゃんと寄り添うこと。ここが一番大事だと思っている。ドライバーが無理なく使えて、安心して頼れる技術が広がっていくこと。 そして、働く環境そのものがもっと安全で、続けやすいものになること。

 この2つがそろって、初めて本当の意味での「安全な物流」が実現するのではないかと感じている。

 全国の整備事業者には、心から「ありがとうございます」とお伝えしたい。トラックが毎日、安全に走り続けられるのは、皆さんが見えないところで支えてくださっているからだ。

 私は難しいことはあまり言えないが、整備の仕事がどれだけ大変で、どれだけ責任の重い仕事かは、現場の声を聞くたびに強く感じている。 ボルト1本、締め付けトルク1つ、診断機の数値1つ。その積み重ねが、ドライバーの命を守り、日本の物流を守っている。

 今の物流は、人手不足や働き方の問題など、厳しい状況が続いている。 それでも、皆さんが毎日丁寧に整備をしてくださるおかげで、トラックは今日も日本中を走り、社会を動かしている。

 これからも、整備の現場がもっと働きやすく、もっと誇りを持てる環境になるよう、ジャパントラックショー2026を通じて業界のイメージが向上するよう、私たちも全力で取り組んでいく。 一緒に、未来の物流を守っていきたい。

特集③へ続く