エンジンオイル37件・シンナー10件の相談が示す現状と、6月以降の供給見通し 関係閣僚会議(第10回)より

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八木 正純
エンジンオイル37件・シンナー10件の相談が示す現状と、6月以降の供給見通し 関係閣僚会議(第10回)より

6月11日、政府は首相官邸において「中東情勢に関する関係閣僚会議(第10回)」を開催し、中東情勢を踏まえた燃料油・石油製品の安定供給確保に向けた対応状況を確認した。

会議では、赤澤亮正経済産業大臣(兼)中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣及び金子恭之国土交通大臣をはじめとする関係閣僚が、各省庁の取り組み状況を報告した。

自動車整備業を含む事業者への影響という観点からは、エンジンオイルや塗料・シンナーの調達困難が引き続き課題として挙げられている。国土交通省が6月1日から5日にかけて全国の地方運輸局等を通じて実施したヒアリングでは、「4月にはシンナーが入手困難であったが、最近は少し改善し、事業が継続できている」(関東の整備事業者)、「エンジンオイルは少し前まで品薄感を強く感じていたが、6月以降は必要量が確保できる見込み」(北陸のタクシー事業者)といった声が報告されている。

一方で、「ディーゼル用のエンジンオイルが入手できず在庫が不足している」(東北・北陸信越・中部・近畿・四国の整備事業者)との声も依然として寄せられており、地域や事業者によって状況にばらつきがあることが明らかになっています。

金子大臣は会議において、自動車整備に関する相談窓口への情報提供件数について、「シンナー・塗料は4月中上旬、エンジンオイルは5月下旬をピークに、その後は減少傾向にある」と述べ、状況の改善傾向を報告した。国土交通省の窓口に寄せられた直近1週間(6月1日〜7日)の相談件数は、エンジンオイルが37件、シンナー・塗料が10件となっている。

情報提供件数

目詰まり解消に向けては、地方運輸局と地方経済産業局との連携を強化し、プッシュ型で対応を進めていることも報告された。実際に、地方運輸局が整備事業者の詳細な供給状況を確認し、経済産業省とも連携して対応した結果、必要な量のエンジンオイルの供給に目処が立った事例も確認されている。

目詰まり解消の対応状況

経済産業省は、潤滑油の流通目詰まり解消策として、6月10日より主要潤滑油メーカーからの直接販売スキームを新設している。赤澤経済産業大臣は「中小製造業(町工場など)や自動車整備業の事業者をはじめ全ての業種を対象とした、主要潤滑油メーカーからの『直接販売』の仕組みを新たに設け、昨日から開始している」と発言し、供給の偏りや流通の目詰まりの解消を一層加速させる姿勢を示した。

潤滑油における直接販売スキーム

塗料・シンナーについては、原料となるトルエン等の供給を最大で例年の1.8倍に拡大する仕組みの申請受付が6月3日に開始されており、早ければ6月18日ごろには原料が到着し、シンナーメーカーによる増産が始まる見通し。すでに「トルエン増産の話のおかげもあってか、シンナー入荷が進み、確保に困ることはなくなった」(シンナー卸)といった声も寄せられており、流通改善の兆しが出始めている。

国土交通省の相談窓口に寄せられたデータや各地のヒアリング結果を総合すると、塗料・シンナーについては4月中上旬をピークとして相談件数が減少に転じており、今後のトルエン等の増産開始を経て、6月後半以降はさらなる流通改善が見込まれる。

エンジンオイル・潤滑油については5月下旬にピークを迎え、直接販売スキームの稼働と併せて、6月以降は調達環境が徐々に改善していく方向にあると、政府の対応状況からは読み取れる。ただし、地域によって調達状況にばらつきが残ることから、引き続き個別事業者レベルでの状況確認と支援が重要となる。

なお、資金繰り面では、セーフティネット保証5号の対象業種が7月1日より583業種に拡大され、建築工事業等も新たに追加される。事前相談は6月11日より全国の信用保証協会で受け付けを開始している。
※自動車(新車)小売業、中古自動車小売業、その他自動車整備業は対象業種

今後の動向については、経済産業省及び国土交通省が公表する供給状況に関する最新情報を参照することが推奨される。