「バッテリーは充電すれば大丈夫」と思っているユーザー 今の時期だからこそ事業者は先手を打って点検提案すべし!

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八木 正純
「バッテリーは充電すれば大丈夫」と思っているユーザー 今の時期だからこそ事業者は先手を打って点検提案すべし!

突然(でもないけど)のバッテリー上がり、その時どうなるか

ある時、車を動かそうとするも、スマートキーを使って操作しても、キーを差しても、ドアロックが解除されない。駐車場の前や、見通しの悪い場所(路肩に停まって)でトラブルに見舞われ、パワースイッチも入らず、電気は灯らず——そんな経験をしたことのある人は少なくないはずだ。

バッテリーが完全に上がってしまうと、どうなるか。「数分で充電してもらえばいいんじゃないの?」と思っている人も多いだろう(恥ずかしながら筆者も例外ではなかった)。だが、実際に当事者になってみると、そう単純な話ではなかった。

バッテリー上がりの実態と、ユーザーが意外と知らない知識

実は、バッテリーが一度完全に上がってしまうと、その内部では劣化(サルフェーションなど)が進んでしまう。単純に充電してもらったとしても、本来の性能を取り戻すことはほぼ難しい。

今回は事前にバッテリー上がりを認知していたものの(幸い自宅駐車場で沈黙)、翌日に定期点検を控え、最低限そこまで自走できるようにとロードサービスを手配。考えてみれば、ただでさえサンデードライバーで乗る時間も短いというのに、この2ヵ月、週末は車を使わない用事でずっと立て込んでいたので、そりゃあバッテリーも上がるわなという状況だった。

「保証期間中だから、充電さえすれば大丈夫じゃないの?」——そう思いたいところだったが、完全放電した場合は劣化が進むことがあり、プロの見立てでは「交換を勧める」ということになる。そのまま使い続けると、突然のシステムダウンや走行不能といった危険な事態を招くリスクが高まるからだ。

たしかに、宇佐美鉱油が自社サイト(Usappy公式サイト)で行っているアンケート結果を見ても、回答者のうち合算で半数以上の人が、トラブルがあった時に「バッテリーを交換した」と回答している。※約3年前の結果

そうは言われても、積んでいたバッテリーはまだ充分保証期間内。担当者から告げられた「交換が必要です」という言葉をにわかには信じ難く、早く救援車から充電させてくれーと思うも、それでも説得力を帯びた説明に納得するほかなかった。

交換は分かった。しかし、自走できないのに交換って? はい、新品バッテリーを持ってきてますよ(当然ですよね)。その場で交換、工賃込みで15,000円なり。支払いはカードで(コード決済も可能だった)! しかもご丁寧に、もう1回同様の事態が起こっても無料で交換できるカードを渡された(絶対、使わないんだもん!)。

トラブル発生時にとるべき対処と、知っておきたい背景知識

いざバッテリーが上がってしまった場合の対処法と、知っておくべき背景知識を整理しておく。
一時的な復旧:JAFなどのロードサービスや、ジャンプスターターを使って一時的にシステムを起動させることができる

すみやかに販売店・用品店へ持ち込む: エンジン(またはハイブリッドシステム)は切らずに、ディーラーや整備工場、用品店へ直行し、新品の補機バッテリーへの交換を依頼する

体験から見えてくる、事業者が取り組むべきこと

こうした体験談を踏まえると、ユーザーの安全を守るのは「顧客自身が気づくこと」だけに頼るわけにはいかない——という現実が見えてくる。間もなくやってくる(というかもう入っている)エアコンがフル稼働する時期、それが近づくこの時こそ、バッテリーをはじめとする車の点検提案を整備工場側から積極的に行うべきだ。

  • 保証期間2年は「まだ大丈夫」と思われがちだが、サンデードライバーは走行距離が少ない
  • 毎週乗っているとしても1回当たりの走行距離が短ければ、充電が不足しているケースは十分に考えられる
  • 夏場のドライブ中に、突然バッテリーが上がることがないよう、点検を全客に対して行うべきだ

顧客の安全を守るのは我々の使命——という意識の下、事故防止の観点はもちろん、ちょっとした売り上げ確保のためにも点検提案に取り組んでほしい。

できれば直接声がけする、あるいは各家庭を巡回・訪問するのはベストだが、TELコールやSMSを送るだけでも充分意義がある。バッテリーの交換時期を記録し、それを基に声がけするのが良いだろう。

まとめ—点検提案は「安心」を届ける行動だ

バッテリー上がりは、ある日突然やってくる。そしてその背景には、ユーザーが気づいていなかった劣化の蓄積がある。顧客は「充電してもらえれば大丈夫」と思い込んでいることが多く、完全放電が劣化を進めることを知らない人がほとんどだ。

だからこそ、事業者側から先手を打って点検提案を行うことに、大きな意味がある。お客様の安全を守りながら、信頼関係を構築できる——それが、点検提案活動の本質だ。