顧客に選ばれるために! 価値で再定義する整備工場 第4回 機能価値の向上(1)業務改善で生産性を上げる

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MSRweb編集部
顧客に選ばれるために! 価値で再定義する整備工場 第4回 機能価値の向上(1)業務改善で生産性を上げる

 整備業界の人手不足は切実な課題です。しかし、採用が難しい今、大切なのが「生産性の向上」です。これは決して作業を「急ぐ」ことではありません。今回は工場の「機能価値」を高め、整備士の皆さんの頑張りを着実に成果につなげるための「業務改善」に着目します。

 以前、ある整備工場から「予定時間内に仕事が終わらないので、整備作業を効率化したい」と相談をいただきました。整備士の動線や点検手順を見直し、作業時間は大幅に短縮。ところが、後日「まだ作業が遅れる」と連絡が入りました。

 そこで状況を確認すると、開店と同時に顧客が一気に来店し、受付はパンク状態。さらに電話対応にも追われ、受け付けが終わっても現場に作業指示を出せずにいます。車両はあるのに、現場は作業できずに待ちぼうけ、という状況が発生していました。これでは、どれだけ整備作業を効率化しても予定通りに仕事は終わりません。

 この工場の場合、まず向き合う必要があったのは、作業スピードではなく、「受け付けの停滞」でした。このように、せっかくの改善努力を空回りさせないために、大切にしたい視点が2つあります。1つは、業務フローを「上流」から見直すことです。整備工場の仕事は下図のように予約受け付けから納車に向かって流れます。

 そのため、フローの左側(上流)で発生した問題は、後工程(下流)に次々と悪影響を与えます。前述の店舗では「受け付け」の停滞が、「整備作業」や「納車」の遅れにつながっていました。2つ目は、原因を「工程をさかのぼって」探ることです。

 本当の原因は、問題が起きている業務そのものよりも、「一歩か二歩手前」に潜んでいることがよくあります。先の例では、「受け付け」の混乱の原因は、「予約受け付け」で時間ごとの予約台数を管理・調整できていないことにありました。

 業務改善で大切なことは、目の前の現象だけでなく、仕事の「つながり」から原因を突き止めることです。原因が分かれば、設備投資が必要なのか、それとも仕事のやり方を変えるだけで解決できるのか、効果的な判断がしやすくなります。まずは、自社の「仕事の流れ」を眺めてみてはいかがでしょうか?

(筆者プロフィール)
田中伸朗 株式会社ナルネットコミュニケーションズ
自動車ディーラーで整備士・フロント業務を経験。その後、整備士教育や現場改善研修を中心に活動。2021年にナルネットコミュニケーションズに参画し、Webメディア「モビノワ」を立ち上げ。整備工場への情報提供や補助金支援を通じて整備業界の活性化に取り組んでいる。

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