社員旅行は人材定着の有効打
「社員旅行を実施したいが、どのように企画すれば社員に喜ばれるのか」
経営者からこのような相談を受けることは少なくない。近年は価値観が多様化し、プライベートを優先する人も増えた。職場の人との交流を負担に感じる人もいる。「旅行に行くくらいなら、その分のお金が欲しい」という声も珍しくない。
しかし、理念や価値観に共感して入社した人材の定着を図る上で、社員旅行は極めて有効な仕組みである。重要なのは、社員旅行を「仕事の延長」と捉えないことだ。日常を離れ、思い切り遊び、楽しみ、役職や年齢、部署を超えた共通の思い出を作ることに意味がある。
共通の楽しい体験は、人と人との距離を縮める。普段の業務では接点の少ない社員同士が交流し、お互いを知る機会となる。その結果、日常業務におけるコミュニケーションが円滑になり、組織全体の連携力が高まる。
社員主体で一体感を育む
さらに効果を高めるためには、旅行の企画そのものを社員主体で行うことだ。行き先やスケジュールを決めるだけではない。「どうすれば仲間を楽しませられるか」を考えながら企画をつくる過程に大きな価値がある。
たとえば、チーム対抗のゲームやクイズ大会、お絵描き対決などのレクリエーションを実施する。あるいは「景色の良い場所」、「一番楽しそうな表情」などをテーマにしたフォトコンテストを開催するのも面白い。
当社でフォトコンテストを行った際には、社員から投稿された写真が1,000枚を超えた。真剣な表情もあれば、くだらないことで大笑いしている写真もある。その1枚1枚が、組織の一体感を育む財産となる。
部署横断でチームビルディング
社員旅行で編成するチームは、必ず部署横断型にする。普段関わりの少ない社員同士が協力し、会話を重ねることで相互理解が深まる。共通の思い出が生まれ、会社全体を1つのチームとして捉える意識も醸成される。
社員旅行は時代遅れだと言われることもある。しかし、目的を「慰安」ではなく「チームビルディング」に置いた企画型の社員旅行は、組織作りの観点から見れば今なお非常に有効な施策である。
人材の定着、部門間連携の強化、理念浸透、組織文化の醸成。そのすべてを同時に実現できる取り組みは決して多くない。だからこそ、社員旅行は最強のチームビルディング施策なのである。

(筆者プロフィール)
關 友信 株式会社チームエル
取締役CMO。2006年に愛車広場カーリンクのチェーン展開開始と同時に、カーリンク基礎研修の開発に着手、その後も直営店の出張査定センターのマネジメントやディーラーコンサルティングなど、幅広く様々な仕事を経験、2014年からはCaSSの会員制度を立ち上げ、会員向けのサービスや企画を開発。