メンテナンスパックに入っていても2ヵ月半待ち⁉ エンジンオイル不足についてスズキディーラーに聞いてみた

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古瀬 敏之
メンテナンスパックに入っていても2ヵ月半待ち⁉ エンジンオイル不足についてスズキディーラーに聞いてみた

 不安定な中東情勢の緊迫化に伴い、自動車の心臓部とも言えるエンジンオイルが不足している……らしい。「ディーラーは確保しているだろうし、新車(スイフトスポーツ)を買ったばっかでメンテナンスパックに入っているんだから、あらかじめ予約できるし余裕っしょ!」なんてお気楽に考えていた5月時点の自分をぶん殴ってやりたい。

 ことの始まりは5月初旬、お世話になっているスズキディーラーからオイル交換の実施を知らせる手紙が届いた。6月ごろに1年点検とオイル交換を実施したいという内容だった。早速メーカーサイトを開いて予定表を見ると……。

 「な、なにぃ! 5月だけでなく、6月まで埋まっていて予約ができないだと!」眼前に広がる予約不可を表す一面の×印に、思わずサイヤ人の王子のような声を出してしまった。

私待つわ いつまでも待つわ

 結局予約できたのは2ヵ月半後の7月18日だった。いやー、待った。あみんよりも待った。まさか、ここまでエンジンオイル不足が深刻だったとは思いもよらなかった。こういうことは、自分の身に不利益が被ってから初めて分かるものなのだ。

 せっかくなので今回担当してくれた某首都圏のスズキディーラー営業に現状を聞いてみることにした。どうやら、本当にエンジンオイルの在庫が少なく、毎日なんとかしのいでいるという綱渡りの状況なようだ。たとえ供給があったとしても、首都圏の十数拠点に分配されるため、各店舗に入荷する量はごくわずかだという。結果として、常に在庫が少ない状態が継続し、オイル交換で来店した顧客に対して「今日オイル交換できないんです」と伝え、後日の整備を案内せざるを得ないケースも出始めている。

 この問題は、首都圏のスズキだけの特殊な事情ではないようだ。業界全体に広がる構造的な問題となっているのだ。

オイルだけでなく、点検自体の枠も不足

 オイル不足に連動する形で、整備や点検の予約枠そのものが逼迫しているのが実情である。今回の私のように、5月に点検の案内はがきを受け取ったものの、予約が取れたのは7月中旬になることもざらだという。スタッフによれば、7月中旬現在、新たに予約を受け付ける場合、作業は9月になるという。

 かつては作業員に空きがあれば可能だった、予約なしの「飛び込み」でのオイル交換も、現在は「点検の方優先」という方針から、受け入れが非常に厳しい状況となっており、オイル交換を受けること自体のハードルが上がっているのだ。

ディーラーに来店し、席につくと、このような案内が。エンジンオイルに限らず、油脂類の供給がひっ迫していることがうかがえる

高性能なオイルゆえに供給を逼迫

 スズキで供給が滞っているのは、純正エンジンオイルの「ECSTAR F(エクスターF)」である。このオイルは高性能である一方、精製プロセスに時間を要することが、サプライチェーン全体に影響を及ぼしていると見られる。

 この供給不安の背景には、不安定な「中東情勢」があると現場では認識されている。自動車メーカーおよび関連業界は、特定の製品や地域に依存するサプライチェーンのリスクを再評価し、より強靭で多角的な供給体制を構築することが急務である。私のように、あみんより待つことになる被害者を増やさないためにも、業界全体での早急な対策が求められる。