顧客に選ばれるために! 価値で再定義する整備工場 第2回 整備工場に情緒価値は必要か?

  • #情緒価値
  • #整備工場
  • #機能価値
ライター写真
MSRweb編集部
顧客に選ばれるために! 価値で再定義する整備工場 第2回 整備工場に情緒価値は必要か?

 整備工場が顧客に提供する主なサービスには車検や法定点検、エンジンオイルやタイヤ交換などのメンテナンス、事故修理、車両販売、保険商品販売などがあります。そこで生まれる機能価値は、「早い」、「正確」、「安い」などが考えられます。

 しかし、全国に約9万ヵ所ある整備工場の多くが、同様のサービスを提供しています。そのため、提供される機能価値も類似してしまい、他社との差別化が図れずに価格競争になる傾向にあります。そこでカギとなるのが、顧客の気持ちに届く「情緒価値」です。

 たとえば、お気に入りの居酒屋やレストランを思い浮かべてください。おいしくて安い店はたくさんあります。でも、また行きたくなる店には「居心地が良くて落ち着く」、「魅力的なメニューが多くてワクワクする」など、「おいしい」、「安い」という要素以外に「落ち着く」、「ワクワクする」といった私たちの気持ちに届く価値があります。

 これが「情緒価値」です。気を付けることは、「機能価値」がないと「情緒価値」は生まれないということです。価格が高くて、おいしくない居酒屋が、顧客をワクワクさせることはできません。同じように「正確な点検整備」や「分かりやすい説明」などを提供できない整備工場が、顧客を安心させたり、喜ばせたりすることはできません。

 整備工場の根幹となる強固な「機能価値」をベースとして「情緒価値」は存在します。また現代においては、Amazonや楽天のようなECサイトでも、すぐに「あなたへのおすすめ」が提案されます。「みんな同じ」ではなく「あなただけ」に届けられるサービスが、デジタルの発展とともに当たり前になっています。

 みんなに提供される「早い」、「正確」といった機能価値だけでなく、あなただけに届く「情緒価値」を提供することの魅力とニーズが増しています。

 重点を置く「価値」を明確にし、その「価値」をみんなで磨き上げることで、他の工場には容易に真似のできない貴社の武器ができるはずです。どの「価値」に重点を置き、磨くのか。

 それを考える時、「機能価値」はもちろん、「情緒価値」も視野に入れることで、より独自性のある武器ができ上がるのではないでしょうか?

(筆者プロフィール)
田中伸朗 株式会社ナルネットコミュニケーションズ
自動車ディーラーで整備士・フロント業務を経験。その後、整備士教育や現場改善研修を中心に活動。2021年にナルネットコミュニケーションズに参画し、Webメディア「モビノワ」を立ち上げ。整備工場への情報提供や補助金支援を通じて整備業界の活性化に取り組んでいる。