ハートのギアチェンジでシビアマネジメントを乗り越えろ! 第5回 ベテラン社員がコンプライアンス違反

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MSRweb編集部
ハートのギアチェンジでシビアマネジメントを乗り越えろ! 第5回 ベテラン社員がコンプライアンス違反

 みなさまこんにちは! ヤマウチの人見です。今回のテーマは「ベテラン社員がコンプラ違反! さぁどうする!?」です。これって、悲しいことではありますが、避けては通れませんよね。

 私も何回か経験していますが、ハラスメント系は、思い込みを排し双方の話を傾聴しなければ互いに合意を得られるまで筋道をつけることなんてできませんし、お客にとんでもない対応をしている人には膝を突き合わせて時間をかけて会話をしなければ理解を得ることができません。

 不正行為なんてもんにぶち当たりますと、「え!? まさか!!」と、足元の地面が抜け落ちるような感覚にとらわれます。悲しくて悔しくて、なんでこんなことを! と胸を掻きむしる思いにさいなまれます。そして「どうしてもっと早く気付いてあげられなかったのか……」と自責の念に駆られます。

 「動機」、「機会」、「正当化」、この3要素がそろった時に人は罪を犯すと言われています。「まとまったお金が必要になった」など、何かしら個々人の事情から動機が芽生え、「無防備にいつでもお金が手の届くところに置いてある」など、悪事に手を染めちゃう機会に遭遇してしまい、「こんなに頑張っているんだから、このぐらいヤっても許される!」と、自身の行動を正当化してしまうというわけです。そしてこれらを許容してしまう組織」。これが、不正だけにとどまらず、諸々のコンプラ違反を呼び込んでしまうんです。

 しでかした罪にもよりますが、ゲラゲラ笑いながら団子になって仕事をしていたころの関係性に戻ることは、ほぼありませんし、懲戒解雇処分が下されますと、苦楽をともにしてきた仲間と決別せねばなりません。私はマネージャーですから、退職勧奨を行うこともあるのだけれど、その際は視界が紫色や黄色に染まっていきます。本当に悲しいのです。

 ですから、そうならないために「コンプラ違反ができないようにあらかじめ手当する」、こちらに傾注するのです。
 まずは「動機への対策」ですが、「対策できないこと」として捨て置きます。お相手の事情に起因するので、考えてもどうにもできません。タイパも悪いですから、ばっさり切り捨てます。

 「機会」については、徹底的に潰していきます。防犯カメラ導入はもちろんのこと、顧客への返金処理は要稟議申請とし現金返金はNGです。車両の買い取り証明書も連番管理としました。とはいえ、何かしら抜け穴が生じてしまうのは世の常です。完璧な対策を打つことはできません。だけど、毎月の監査をすることで抑止力にはなっていると思います。

 「正当化」への手当ては、常日ごろから評価基準と権限の範囲をつまびらかにしています。「認めてくれていない!」という不満を極力持たせないようにし「自分は特別な存在だ!」と勘違いさせないというわけです。まぁお相手が判断することですから、こちらも完璧な対策とはなりません。

 ですから、一番大切なのが「これらを許容させない風土づくり」となるわけです。レ・ミゼラブルのジャベール神父のように「こんなことをしたら恥ずかしい」と感じていただけるよう、魂のレベルを上げていただかなければいけません。私にできることは、人工ではなく人間として寄り添うことのみではありますが、案外一番大切なことなのかもしれません。

(筆者プロフィール)
人見いづみ 株式会社ヤマウチ 
メカニック全員が退職するという、悪夢のような経験を経て、たった2名からオリジナルブランド「ラチェットモンキー」を立ち上げ、3店舗・年間のべ利用客数30,000人・車検台数6,500台を実現。現在は自社開発した予約システム「totoco(とっとこ)」を販売しながら、講演活動にも取り組む。

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